国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「成功」という名の積み木   FULLMOON

同じことをするときに、「また、失敗するかもしれない」と思うと、ほんとうに失敗する。これは、「失敗」ということをきっかけに、以前に失敗したときの脳のはたらきが進行し、失敗するからである。成功した経験がないと、「成功」ということばで脳は成功に向かわない。成功する人は成功を重ね「失敗する気がしない」と自信満々だ。なぜなら、本人も自覚していないが、以前に成功した経験があれば、そのときの脳のはたらきが進行して、成功を重ねることになるからだ。
言葉の暗示の力はすごいものがある。私の学校にいる先生は、小学校のときにいた同級生について教えてくれたことがある。その同級生は、歌が大好きだった。「私は歌手になる、絶対紅白にでる」といっていたらしい。その先生は「なんだよこいつ、うるさいなぁ、まったく。」と思っていた。しかし気づいたら、その人は立派な歌手としてCDをリリースした。しかし紅白に出ることもなく、それほど有名になることもなかったという。すごいではないだろうか。別にたいした才能なんてなかったのだ。やはり努力のほかに、自分への暗示の効果があったのだろう。
私は中学の野球部に所属している。ここでも、暗示が効いたことを経験した。秋の公式戦、私は5回裏から守備につき、最終回の7回表、2アウトランナーなしで打席に立った。相手投手はエース、体格もスピードもすごいものを持っていた。普通ならパニックに陥って三振になるはずだが、僕はその投手のコントロールの悪さと気の短さを把握していたので、ボールをよく見てストライクはファールにすればフォアボールでも出塁できると思っていた。そして、案の定、2−0からボール、ボール、そして外角にストレートがボール。よし、怒ってる、怒ってる。そして内角に、さっきの球より遅い球がきた。カーブだ、ととっさに出した手を止めると内角に曲がりボール。四球で出塁した。結局後続が三振、ゲームセットとなったが、暗示の大切さを知った。もしあそこでパニックに陥っていたら。2−0からのボール球を振って三振だっただろう。(体験)(複数の意見1)
私の通っている予備校の授業で、新しく難しい単元に入って、1時間の授業が終わると、「無理」だの「わからない」だの言っている人間がいる。そして先生は「本当にできなくなるぞ」と警告する。そして、その暗示組にはとことんできなくなる。もちろん例外なイヤミなやつもいるのだが…。そういう人は圧倒的に女子が多い。というか、男子はそんなこと言わない。私は「そんなに構ってほしいのか」と思うのである。結局最後は一人で受験するわけだし、自分で解決できなくてはいけないとおもうのだ。(複数の意見2)
童謡の桃太郎には「鬼の征伐についてゆくなら…」と歌われているが、もしこれが「強い強い鬼との苦戦になりそうな征伐に…」のような意味合いで歌っていたら、誰もついてこなかっただろう。(昔話)
確かに言葉には、プラスにもマイナスにも大きな力がある。しかし本当に大切なのは、言葉の意味を、実体験を基にして知ることではないか。「失敗」だって「成功」だって、経験することで本当の意味を知って、深く考えるようになるのではないか。「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である。」という言葉のように、実際に家に住む、すなわち体験することが、家を批評する、つまり本当に言葉の意味を知ることになるのだと思う。そのためには、小さい事でも良いから、成功を積み木のように積み重ねることなのではないか。丁寧に、小さい「成功」のブロックをきれいに積み重ねていくのである。だけれども、雑に成功を積み上げたり、その積み上げた成功の扱い方を間違えたら、それまでに積み上げた「成功」は無駄になってしまうのである。

   講評   kamono

失敗だって、成功だって、経験することで本当の意味を知って、深く考えるようになる、というこの文章の核心をずばりと言ってのけました。
それから、言葉の暗示力のすごさについても、野球部の打席に立った一度の場面を、実に上手に表現することで、うまく説明できました。ここの10行ほどは、スポーツ記者のよい記事を読んだときのような感じでした。必要な項目は、きれいにクリアできています。    
野球部や予備校や小学校のときのことなど、経験したことを、どんどん作文の中に書くことができるのも、とてもいいと思います。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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