国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人と人とのあいだに   黒猫みー

 米国人からすると日本人が「ノー」と答えてるとき、もっとハッキリ態度をあらわす必要を感じる。人格をもった一個の人間なら、責任ある態度をとるべきで、むしろ、事実を事実としてはっきりと否定することが、相手の尊重にもつながるというわけだ。しかし、日本人にとっては、きっぱり否定したりすると、「いいえ」が事実の否定をとびこえて、相手の考え方や感じ方の批判にまで及ばないとも限らない。そこで「いいえ」は自然に控え目になる。その控え目な態度によって、否定が事実だけに限定されることを、無意識のうちに示唆しているのだ。こうして声をおさえることが、客観性にふみとどまる一つの手立てともなるわけだ。
 人の気持ちを思いやり控えめな態度をとることは大切だ。(意見)ものをいう時、相手が傷つかない表現を選び使う。これは相手を思いやる日本の文化といえるだろう。小学校の時のことだ。算数の時間だっただろうか。ある問題で、当てられたわたしは自信を持って自分の導き出した答えを口にした。しかし、どうも間違えているらしい。先生はやんわりとした物言いで解答を説明した。ふむふむ。チョークの白が森のように深い緑の黒板に文字を刻む。内容を聞いているとちょっとした注意不足のポカミスのようだ。先生は、教室を見まわし、質問を促した。誰の声もあがらない。そのまま何事もなかったように、次の問題へ進む。まだ、授業中に手を上げることすら恐れていた初々しい時期のことだった。そして、その時のわたしは、先生の受け答えに心のうちで感謝した。
 しかし、ハッキリとした態度をとることは人に自分の意思を伝えるうえで大切なことだ。会議など重要な場において、あいまいな態度を取ることはその場をさらに複雑な状況に追いこみかねない。これが国際規模となると文化、言語、思想といった様々な壁が相互の関係の中に生まれる。そこに、あいまいさが存在すれば相手の意図をしっかり理解いすることができない。そんな時、互いの理解を深めるために率直な態度をとる必要があるのだ。アンデルセン童話の「裸の王様」にもある。二人の詐欺師に「賢者、正直者にしか見えない着物」を作ってもらった王様。町中の人たちは口をそろえて「すばらしい着物」と言う。しかしただ一人小さな子供だけは「裸の王様だ」と叫んだ。そう、王様は着物など着ていなかったのだ。みな、着物が見えないのにそれを言えばまわりに愚か者と思われるかもしれないという不安を抱えて、自分の気持ちを隠して王様をほめたのだ。誰もが言い出せず、結局王様は裸で町を行進することになったのだ。
 確かに、控えめな態度もハッキリした態度も大切だ。しかし、本当に大切なのは態度ではなくその人と向かい合う気持ちである。「良い友人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない」ということばがある。誠心誠意まっすぐにその人の心に語りかけること。それが人との信頼関係を築いていくのだ。

   講評   jun


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