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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ルールと民主主義社会   うなろ

 アフリカの子供達がノートや鉛筆欲しさにボランティアの女性の周りに集まり、手を伸ばしている。このような光景は、発展途上国に対するボランティア募金を募るCMなどでよく見ることの出来る光景である。この光景から、アフリカの国々の貧困さとそれに対する援助の必要性を感じることが出来るが、同時に彼ら全員に平等に文房具が配れているのだろうかという疑念が私の頭の中に残ってしまう。子供達の中で力のある者がたくさんの文房具を独り占めしてしまい、力の弱い子供の手に行き渡らないのではないだろうかという不安である。
 我々日本人は人間に本能的に備わっている行動であるかのように、様々な場面で行列に並んだり様々なルールに従っている。しかし、このルールを守るという行為は、民主主義社会運営の為に我々が後天的に身につけたものであるかもしれない。しかし、我々全員が快適に生活していくためにはルールを守ると言うことが必要不可欠なものであると思う。
 このようにルールを守ることが必要不可欠であることの第一の理由は、ルールを守ることにより様々なトラブルを回避することが出来、能率が上がるからである。近年の車社会では交通事故は避けてとおれない問題であるが、交通工学という雑誌によると、信号機を設置することにより交通死亡事故を1/4に減らすことが可能となったとのことである。このように、ある交差点と言う問題多発部に信号というルールを設置することにより、交通死亡事故というトラブルを1/4に減少させることが可能なのである。
 もう一つの理由は、ルールを守らないと秩序が崩壊し、弱肉強食の世界へと戻ってしまうからである。私が小学校の頃、昼休みになると給食を急いで食べて、グランドになるべく早く出て自分達のグランドを確保することが日課となっていた。しかし、低学年の頃は、一度はグランドが確保できたとしても高学年の子達に奪われてしまうと言うことが多々あった。このようなことは、学校全体でルール作りをしてくれていれば避けることが出来た問題のはずなのである。
 確かにルールを守ることにより非効率になることがあったり、人間的な温かみが失われたりすることがあるかもしれない。しかし、我々は一見無意味であると思っているような規則を守ることにより、我々が普段は気付かない社会的に弱い人々のことを守っているのかもしれないのである。我々は民主主義の世界で生活している以上、身の回りの人々の快適さや利益を追求するのではなく、全ての人々の公平な環境と利益を追求しなくてはならないと思う。未だ民主主義の成熟していないアフリカの子供達にも行列に並ぶことを教え、一人ずつに手渡していけば、力の強い子も弱い子も文房具を等しく手に入れることが出来て、全員の子供の笑顔に接することが出来るであろうし、その日を待ち遠しく思う。

   講評   nane

 ボランティアの周りの子供たちの行列という着眼点がユニーク。確かに、力の強い子がたくさん取るということはありそう。しかし、そういう社会ではたぶん子供たちどうしの間に秩序ある親分子分関係があるので、ある程度の不平等を抱えながらも基本的にはみんな満足できる水準で配分されるような気がする。
 ルールを守るという点では、日本人はかなり律儀。世界のほとんどの民族は日本人ほどルールに頓着していないように思える。
 信号機による事故のデータは具体的。いい例を見つけた。
 小学生時代のグラウンドの確保は、だれにでもある苦い思い出だね(笑)。どこの学校でもあることなのに、ルールがあるという話はあまり聞かない。
 規則を守ることにより弱い人を守っているという発想は、いろいろな場面で応用できそう。規制緩和も、緩和して弱者に負担がかからないような対策が必要になる。
 結びの最後の文は、書き出しの結びだけで終わってもいいかも。
▲「必要不可欠」は言葉としてやや強すぎるかな。

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