国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   生と死   たこ焼き


 人は、道具と言葉により強くなり、自分が狩られる側に回ることはなくなった。
 生きている物はすべて「生と死」がある。そして、今この瞬間でも「生と死」があるのだ。ライオンやヒョウなどの大型動物に食べられてしまう小動物は、毎日「食うか、食われるか。」の世界である。その「生と死」が今、特に先進国の人から離れつつある。
 まず、「生と死」を考えなくなったその理由として生活が裕福になったからと言える。狩りもしなくて良いので、動物に襲われることはほとんどなくなった。自然の事故の場合、水害は堤防を作ればふさげばよいし、家も頑丈になったことで台風がきても害はそれほどひどくなくなった。これなら、「生と死」について考えるより、テレビを見たり本を読んでいる方が第一だろう。
 では、もしあなたが明日死に向かうとしたら、今日何をやるだろうか。普通に過ごすという人もいれば、あれこれ考えてしまう人もいるだろう。私は、その時にならないと今はよくわからない。もしかすると、外に一日中出て歩き回るかもしれないし、家の中に閉じこもってテレビを見たり本を読んだりしているかもしれない。友達に会いに行くかもしれない。今はなんともいれない「生と死」だ。 今、イラクに自衛隊を派遣するニュースがあるのは知っているだろう。優秀な自衛隊が、いつ起こるかわからない死へと向かっていくのである。私の知り合いに自衛隊の方がいて、親に自衛隊のことを何度か聞いたことがあった。そして、外交官殺害は急に起きた死である。私は死にもいろいろあるんだなと思った。
 私の親戚の人が、死の近くまでこの間向かった。手術をした結果、成功はしたがあまり長くは生きられないそうだ。私の母の父は、私と3ヶ月しか一緒に過ごせなく、死へと向かった。父の両親とは、1度も会えなかった。なので今回、親戚の手術で初めて自分の身にある「生と死」を体験した。また、部活動が同じ先輩の母が死に向かい、初めて仮お通夜に出席した。その時に、「生と死」を正に感じた。
 その後、私は「生と死」を少し考えるようになった。動物の死とは何度か対面したが、人間の死を考えるようになった。そもそも、人間は皆「生と死」だった。狩りに行って、獲物を捕らなくてはいけない。もちろん、今のような武器はないのでとても大変だったはずだ。
それが、今では武器があれば簡単な時代なので、先進国の場合、肉や魚を食べるときも感謝せず、平気で残飯として残すのである。毎日「生と死」の発展途上国の人から見ると、とても贅沢だし、動物から見てもこれはとてつもなく、贅沢だろう。まず、食べ物を残すなど昔は考えられなかった。今は、それほど裕福になったという印である。
 なので、人間は「死」ということを恐れなくなった。そのため、イラクでの自衛隊の死は「日本人は韓国人より騒ぐだろう」と言われている。確かに、日本人はいままで考えていなかった「死」が急に訪れた。それは、おそらく死をあいまいに意識しすぎたからのようだ。「生と死」は、生涯必ず付きまとう物である。長文を読めば、よくそのことがわかるだろう。その「生と死」をどう受け止めるかが私たちの、今後の課題と言えるだろう。
 
          

   講評   nara

私たちが死について考える機会が少なくなったということは、プラスの面だけではないのだということが、長文に書かれていたね。死を考えなくなったことで、その対となる生も漠然としたものとしてしかとらえられなくなった。また、死がわかりにくくなったために、過大なほどの恐怖を植え付けられてしまった。物質的な豊かさや医療技術の進歩から放たれる光の後ろには、影も存在しているということなのだね。
 長文の最終段落に「本当はそんな不安などないのではないか、と考えることができたら 人間もまた彼らの境地にもう一歩なのだが、それは容易なことではないらしい。」とあるね。たこ焼きさんは、「死を恐れなくなった。」ととらえているけれど、意見が異なるようだ。死の恐怖を越えたというよりも、人間は死を実感しなくなった(できなくなった)ことで、より恐怖も大きくなったのではないか、というのが、筆者の考え方ではないかな。ここはもう少し意見を練ってみよう。
 戦争という状態は、決して賛成すべきことではないけれど、そこにおける「死」が人々に「生」を実感させるというのは、皮肉なことだ。長文の表現を借りるとすれば、「人が人を狩り、狩られる」というのが戦争だとも言えそうだ。そういう状態なくして、人が生を実感できることができれば、何よりなのだろうけれどね。
 少し遅れたけれど、字数・キーワードともに課題をクリアしたね。作文テスト、合格。

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