創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ことば にわとり
方言で「つるべ」のことをツブレ、「ちゃがま」のことをチャマガ、「つごもり」をツモゴリという所がある。「週刊朝日」に、電車の「つり革」は現在は皮ではなくてビニールを使っているから、これを「つり革」と称するのは不当で、「つりビニール」と言うべきであろう、「枕木」は、近年は木ではなくてコンクリートを材料としているから、「枕コンクリート」と言うべきではないかという考えが掲載されていた。そうかと言って、一々ことばを言いかえるのも大変なことだろう。ことばの正しさの規範意識もそこから生まれ出るようだ。わたしは、実態によってことばを変えるべきではないと思う。
第1の理由に、頻繁にことばを変えては、混乱してしまうからだ。わたしが、小学校4年生位の時「廊下って、何階にあっても「下」なんだよなぁ・・・・・・。」と疑問に思ったことがあって、名前を変えよう!と馬鹿なことを考えていた。「教室は床・・・・・・廊下だって床なのに何で廊下?」色々考えた結果「廊床(ろうゆか)!」と無茶苦茶単純な名前に・・・・・・。混乱というか、意味がわからなくて、ことばを変えるって、大変なことなのだなぁと、しみじみ実感した。まるで、今まで母に世話をしてもらって、いざ自分が、という時に母の苦労がとてもよくわかったように。(・・?)
第2の理由に、日本に慣れたことばには、愛着があるからだ。四季を代表する旬の食材というデータを見ると、春1位タケノコ夏1位スイカ秋1位サンマ冬1位大根と、皆共通して感じる感覚である。ことばというのも、昔からあった言葉の方が、落ち着くのではないかとわたしは思う。例えば「つり革」を「つりビニール」としたら、素材が変わるごとに「つり〜」と変えなければならない。これはごもっとも。幼稚園の時、遊ぶときはいつも半そで半ズボンの子がいた。1年中その服装だったため、その子のあだ名は「夏」。だが、ある日長そで長ズボンと服装を変えた。その日からその子は「冬」。また、半の服になると、夏、長の服になると冬、と、服装が変わるごとにあだ名が変わっていった。このつり革と同じことで、ことば(この場合、あだ名)は、変えるものではないなぁ、と思った。
確かに、実態とことばが一致している方がわかりやすいこともある。しかし『自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。』という名言があるように、自分が慣れていることばを使えばいいのではないか、とわたしは思う。
講評 jun
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