創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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ラーメン屋の行列 うっちー
今日の都市生活に欠かせない行列という社会現象がある。今日の大都会のように、一般にモノやサービスの需要—供給関係に一定程度以上の不均衡があるところではどこでも行列ができる可能性がある。先着優先、身分平等という原則があるので、行列は成り立つ。欧米人は行列をあたりまえのように考えているが、工業化がおくれた欧州の地域、中東の社会の人びとには、行列もヒツジの群れのようにみえるらしい。民主主義には一定の均質性が必要だが、行列を見ると、近代民主主義の母胎が工業化社会だと思える。私はみんなが行列を作るのは良いと思う。その理由は2つある。
1つ目の理由は、ラーメン屋などで、行列があるとなんとなく良いお店だと思えるからだ。面白いデータがある。和歌山のラーメン屋井出商店は営業日数238日、わずか23席の店内でトータル212610杯。1日平均893杯のラーメンを売った。この時、土日平日などでも行列は途切れず、祝日などは常に2時間待ち、多い時には150分待ちだった。これは全国に行列店が数々あれど前代未聞の行列だった。このことからも行列はお店のよし悪しをはかる一つの基準となると思う。
2つ目の理由は、行列を作らないと、優先順位が決まらず、みんなが不平不満が爆発するからだ。もし料理点で、団体客でお店に入って座席に通されて、後から来たグループに先に料理が運ばれてくるのを見ているのを見るとなんとも言いがたい気分だ。いくらこっちのほうが先に来たといっても、店員がはっきりと順番を覚えているわけではないので困ってしまう。ここで行列の登場。行列なら自然と優先順位が決まってしまう。優先順位が決まってしまうと簡単に不平不満は言えなくなる。昔のトイレの順番待ちの仕方は、おのおのが早くあきそうなトイレの前に陣取って待つというものだった。今のスーパーなどでの「レジ」の順番待ちのようだ。会計係の中のプロの前に並べば早いだろうし、新米さんの前だとしまったなと思ってしまうだろう。トイレも同じだ。しかし一旦自分で並んでしまった以上、そこで順番を待つしかない。恨むなら自分を恨むしかないのだ。しかし今のトイレの待ち方だとそんなテクニックは通用しない。ただあいたところに入っていくだけだ。まるで勝手に動く歩道に乗せられているようなものだ。僕は昔の方法のほうが良いと思う。
確かに客引きだけで中身の無いお店だってあるだろう。行列なんかなくても客にうまく不平不満を言われないようにできるお店もあるだろう。行列なんか無くても常連さんだけで生きているところもあるだろう。しかし「知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ。知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ。知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ。」という名言のようにその美味しいラーメンを食べたいという人達の集まりが行列を作ったのだ。広くいろいろな人から支持を集めたものが淘汰餞別されてこの世に残っていくのだ。こんな役割を持っている行列。多だ迷惑なだけではないのだった。
講評 jun
うっちー君らしい観点から、行列がなぜ良いのか理由を挙げることができました。行列ができているだけで、おいしいお店なのだと思ってしまうことはよくありますね。行列の長さや待ち時間の長さがお店の良し悪しをはかる一つの基準だとは確かにそのとおりかもしれないね。あまり長く待たされるのはいやですが……。和歌山のラーメン屋さんの行列に関するデータについて、細かい数字を挙げたところがいいですよ。二つ目に理由に書かれているトイレの順番待ちに関する話も興味深いね。(笑)昔の並び方の方がおもしろさはあったかもしれないね。余談ですが、レジに並ぶときも、列の長さだけで判断してはいけません。かごに入っている商品の量や店員さんのレジさばきなどを一瞬にして見極める必要があります。もちろん、かごの中の商品は量だけで判断してはいけません。量が多くでも同じ物をたくさん買っている場合はレジを打つのも簡単です。
話がそれてしまいましたが((^^ゞ)、結びは、反対意見への理解を示し、名言を引用して(同じ名言が三回繰り返されているのはなぜ?)まとめることができました。一つ目の理由だけにとらわれずにまとめることができるとなおよかったですよ。
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