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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   否定   シュシュ

 日本語の否定は「質問」の文型あるいは質問者の意向に向けられているが、英語の否定は質問を受ける側の、現実の行為の有無に向けられている。日本語の返答では、否定が「質問」の方に向けられているために、微妙な心理がからんでくる。こうして声をおさえることが、客観性にふみとどまる一つの手立てともなるわけだ。だから、声の調子とか表情とかを総合して判断することが必要になる。日本人は、いつしか読心術のようなものを身につけ、ことばのみせかけにまどわされることはないが、外国人にとっては解しがたいことが少なくないようだ。
 欧米人のように「いいえ」と否定する気持ちをはっきりと表すことは大切だ。曖昧な態度でなく、はっきりということによって相互の誤解が少なくなると思う。私の学校では英会話の授業の先生はネイティブアメリカンだ。スウェーデンからきた先生で、もちろん授業は全部英語で行なわれる。その先生と普通の日本人の英語の先生やその他の先生を比べてみると、外国人の先生の方が否定するときの言葉をはっきりと言っているように感じられる。「NO」と言うときは大きな声で言ったり何回もくりかえしたりして強調されている。日本人の先生はあまりこのように否定をしたりしないし、先生に限らず普段の生活でもこんなに強く否定することはあまりないだろう。また、日本人の先生だが英文法の先生は生徒が何か質問をしたりすると「違う」とすごくはっきりと言う。慣れないせいかそれがなんだかおかしくて、4月に初めて授業をうけたときはみんなで笑ってしまった。しかし、本当はそれが外国では普通なことなのだ。今ではもうなれてきたし、間違えたことははっきりとわかったほうが良いので私情を挟むことが少ない授業ではそのようにはっきりと否定してくれた方が良いと思っている。
 しかし、日本人が「いいえ」をはっきりといわないのも、相手に対する思いやりが働いているからであり良いことだ。昔からある和のもつ日本人的な特徴の一つだろう。有名な昔話に「裸の王様」がある。詐欺師に騙されて裸なのに服をきているつもりで王様は町を歩いた。ほとんどの大人は裸だと思いながらもそのことを言わなかった。そうしたら、ある一人の子供が王様が裸であることを言ってしまう。それがきっかけで王様は詐欺師に騙されたことを知るのだ。大人たちは、馬鹿だと思われたくないからという気持ちが大部分で王様の服を否定しなかったのだろうが、相手を傷つけたくないという日本人的な感情からも、否定ができなかったのではないだろうか。
 確かに、はっきりと否定することも相手の気持ちを考えて曖昧な態度をとることもどちらも大切だ。しかし、本当に大事にしなければならないことは、その伝えたい内容である。「辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。」という名言がある。この言葉のように行き着く方法よりもどこへ行き着くかが大切なことなのだ。所詮方法は内容のためにあるものであり、普段そんなに大切にすることでもない。住んでいる国、使っている言語に関係なく、自分の思ったことを伝えたい人に自由に伝えられたらいいと思う。そしてそのことは、これからどんどん国際化していく社会の中で必須となってくるだろう。

   講評   jun

 今回も大作になりましたね。
 相互の誤解が少なくなるように、「いいえ」をはっきり言うことは必要なことですね。一つ目の意見には、英語の授業の話を挙げることができました。日本人は、「いいえ」をはっきり言うことに抵抗を感じますが、欧米人は自分の考えをストレートに表現しますよね。シュシュさんは、いつも身近な学校生活などからいい実例を挙げることができますね。
 二つ目の意見では、日本人の曖昧さの原因を考えることができました。日本人が「いいえ」をはっきり言わないのは、決して意志表示が下手なためではなく、相手の気持ちを最初に考えてしまうからでしょう。「裸の王様」の昔話実例は、ぴったりの話ですね。
 結びは、言葉という方法よりも中身が大事だという総合化でまとめることができました。言葉の使いかたも、もちろん大切ですが、国際化される社会でいちばん大切なのは、まず伝えるべき内容だと言えますね。
                              

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