創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   時   れもん

 星が輝き月がまるで何もかもを見透かしているような不思議な光を放つ空の下で、大きなビルが立ち並び、道路ではたくさんの車が渋滞をしている。(たとえ)「たぶん、あんなにたくさんの車一つ一つにたくさんの感情が乗っているんだろうな。一体あの車の中の人はどんな気持ちで新しい年を迎えたのだろう。」そんなことを考えながら、私は景色を眺めていた。ここは、東京。いつもとは全く変わらない夜だったが、たった一つ変わったことがあるとすれば、それは平成十六年になったということぐらいだろう。(前の話)
「えっ。もう平成十六年だっけ。」
「時は金なり」ということわざがあるように、本当に時間が経つのは早すぎる。(ことわざ)この作文を書いている今だって時間は過ぎている。でも、こんなに時間が経つのは早いのに決してその時間が戻ってくることは無い。まさに時間こそ世界一のいや、宇宙一の自分勝手だ。でも、そんな自分勝手の時間が自分勝手では無くなってしまったら、それはとっても困ることだ。一定にどんどんどんどん流れていた時間がある日突然、流れが変わってしまったら混乱してしまう。つまり、時間は自分勝手をつらぬき通し、誰もが認めている自分勝手なのだ。
 時間は自分の自分勝手さをつらぬきながら、その時その時でさまざまな物を生み出してきた。人や物、感情まで。二度と戻れないその時その時は思い出となり、記憶となり、そして歴史となった。今、社会科の時間では歴史をやっている。今は今なのだから、昔のことなんか知っても何にもならない、と思うかもしれないがやはり、昔を知らないと今を生きることはできないと思う。過去は未来のためにあり、未来は過去から成り立っている。今を生きる上で、昔は最良の参考書だ。人が生きてきた上での成功や失敗を知ることによってそれは未来へと活かすことができる。時がずっと流れてきたように、昔も今もつながっているということを忘れてはいけない。
 世界中でみんなが同じ時間を一人一人違うことをやりながら、考えながら過ごしている。時間の流れの中で自分がやってきたことを振り返る時、そして、その時間の流れの不思議を改めて感じるときが年の変わり目である大晦日とお正月なのではないか。今日も世界中で、一人一人が時間の流れに乗り、広い広い空の下で過ごしている。(書き出しの結び)
   

   講評   nara

 「時は自分勝手」ここはおもしろい指摘だね。言われてみれば確かにそうだ。矢沢永吉の歌に『時間よ止まれ』というものがあるけれど、止まらないからこそ、人は『止まれ』と切望することがあるのだね。止まらずに流れ続ける「時」、しかし、それは消え去るものではなく、流れの中で何かを残すからこそ、我々は過去を参考書とすることができるわけだ。「流れ続ける」ということは、継続しているということだね。だからそのものが消えることもないし、遡ってたどることもできるということなのだろうなぁ。
 その大きな流れの中に、節目となるところがあるのだね。川の流れのように、どこかによどみがあったり、急な流れもある。自分自身の流れをたどることは、これからの流れを見据えることにもつながるのだね。そしてそれは人間の歴史という大きな流れでも、同様のことが言える。大きな視点で時をとらえることができた。
 この作文は、スケールの大きさと、自分自身という足元への目線、両方を兼ね備えたいい文章だ。書いたのは、年明け少し経ってからだけれど(笑)、年始にふさわしい作文になったね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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