創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「豊かさ」を求める   FULLMOON

 「豊か」という言葉を耳にすることが少なくなったが、私たちの身の回りはどんどん豊かになってきている。大企業だけが持っていて、一般人は誰も持っていなかったコンピューターというものが、家庭にあっておかしくない時代になったし、学校ではコンピューターを扱うことを教える授業まである。食料は1日3食、今では栄養失調という言葉が耳に入る理由が「飢え」でなく「バランスの悪さ」に変わってきている。私たちの身の回りはどんどん豊かになってきている。
 今触れたとおり、日本は高度経済成長期を境に物質面で豊かになった。今では「MADE IN JAPAN」というのが「ハイクオリティー」の証拠になった。また、物資面で豊かになったことによる医療の発達や食料の確保も、日本が世界有数の長寿国になった要因のひとつである。このように、物資の豊かさは日本に大きな影響をもたらした。
 しかし、それが「豊か」ということなのであるのか、という考えがある。それは「心の豊かさ」である。私の視界の限り“物資を引き換えに心の豊かさが失われる”という事態が見える。ストレス性の胃潰瘍や盲腸、過労死、労働者自殺などの問題が起きるのはそこからだろう。
「ローマの休日」という映画がある。もう私たちの世代からすれば「昔話」同然にも見える白黒時代の映画だ。最近DVD化され、再び話題を提供している。さて、この映画の主人公でもあるヨーロッパのとある国の王女アンは、「王女」という地位だけあって、物資面には非常に恵まれていた。しかし彼女は「心の豊かさ」を求めていた。そんなアンは親善旅行の一環でローマに訪れる。ある日の深夜、こっそりと滞在先の宮殿を抜け出し、たった一日だけの自由を新聞記者のジョーと満喫する、という映画だ。この映画に出てくる王女アンこそ、「心の豊かさ」を求め、手に入れられた人物だと思う。
 このように、人間には「物資の豊かさ」と「心の豊かさ」のバランスが重要視されている。しかし、本当に大切なのは、物資も心も問わず、「本当の豊かさとはなんぞや」ということを自分にもう一度問いかけることではないだろう。今私は「豊かさ」についての現状を述べた。しかし、その「豊かさ」をいかにして手に入れられるかが、もっと大切なことなのではないだろうか。それは、一人ひとり「豊かさ」に対する価値観が違い、手に入れる方法もちがう。もう一度自分の「豊かさ」について考え直したらどうだろうか。

   講評   kamono

モノの豊かさでは世界有数の国になったのに、それと引き換えにもっと豊かであったはずの心を失った、という指摘がいま盛んにされています。戦後50年が過ぎて21世紀に入り、一番考えなければならないことは、どうやって心豊かな国民を取り戻すか、ということなのでしょうね。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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