国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   その場にふさわしい気持ちと態度   うなろ

 豪勢な建物の玄関で、きびきびとした態度のボーイが忙しそうにタクシーからお客様の荷物を降ろし、運んでいる。その一方で、建物の中に入ると一転して彼らボーイを含めた全ての人々が一挙手一投足を優雅に見せながら上品に物事を進めている。このような光景が多くの一流と呼ばれるホテルで繰り広げられているのである。このような一流のホテルとは不思議なもので、足を踏み入れた瞬間にそれなりの雰囲気を醸し出しているものである。まるで、その雰囲気を演出している”何者か”がいるかのように。おそらく、彼ら全員をそのまま小学校の体育館に連れて行ったら、雰囲気は全く別なものとなっているであろう。彼ら個人個人が”一流ホテル”という場にふさわしいように振舞った結果、このような独特な雰囲気が作り出されているように思う。このように、その場その場でふさわしいように行動するということは大人として重要であり、最低限の嗜みであると多くの人々は思っている。
 確かに、場面ごとにふさわしい態度をとることは重要である。多くの人々によってふさわしいと思われている服装をし、そのように振舞うことにより、その場にふさわしい雰囲気が作り出され、みんながその場にふさわしい気持ちになっていくのである。私は大学通学時、ほぼ毎日私服で登校し、卒業式や入学式だけスーツで登校した。卒業式のときに久しぶりに全員でスーツで登校し式に望んだのだが、いつもよりも引き締まった気持ちになり、入学・卒業するんだということをその場の雰囲気でも実感できたものである。
 しかし、その一方で外見や振る舞いばかりに気をとられていてもしょうがないようにも思う。同じ感情を持っていたとしても、それを表す方法は人により千差万別である。世の中の全ての人が同じ反応を示す必要はないようにも思う。本質的に必要なことは気持ちなのである。例えば、浦島太郎は竜宮城で玉手箱をもらうが、竜宮城から帰ってきた玉手箱を開ける前の浦島太郎と、玉手箱を開けた後の浦島太郎は本質的に違うだろうか。外見は変わってしまったかもしれないが、どちらも竜宮城で素晴らしい経験をした浦島太郎という点においては全く違いがないように思う。
 今まで述べてきた、その場にふさわしく振舞うことと、その場にふさわしい気持ちを持つということは、相容れないものではなく、どちらも重要なことのように思う。実際に多くの場合は、その場にふさわしい気持ちとなることで、自然とその場にふさわしい振る舞いをしていることと思う。しかし、時としてその場にふさわしい気持ちになることとふさわしい振る舞いをすることが対立してしまうことがあるが、その時には周りの方々に迷惑にならない範囲で気持ちを表現するというようにバランスに気をつけながら行動しなくてはならないと思う。

   講評   nane

 書き出しが柔らかくて読みやすいですね。一流ホテルの雰囲気がよく出ている。(行ったことないけど(笑))
 卒業式などのスーツ姿の例は具体的。やはり、服装がそれなりにきちんとしていないと、いくら気持ちがあると言っても雰囲気が出ないからね。
 浦島太郎の例はユニーク。姿かたちは違っても中身は同じという例として、こういう使い方をした人はいないなあ。
 現在の社会では、○○らしくという言葉が急速に崩れてきている。価値観が多様化している中で、外見上の「らしさ」を求めることができにくくなっているんだろうね。
 総合化は、自分らしさが何かを探すことが先決だ、のようにまとめてもよい。また、自由に生きているその姿が周りの状況に無理なく合うような境地に、ということでもよい。総合化には答えがないので、いろいろな可能性を考えてみよう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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