創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   緊張した後の気持ち   ポテチ

 「キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴るのと同時にいっせいに問題用紙をあける音が聞こえた。
 私の学校は中学校と兄弟のような関係でつながっている。だからとても嬉しいことに本当は入試で合格しなければ入学できないところを、普段の生活がよければ入試が合格の点数までいかなくても入学できるようになっている。しかしやはり入試は緊張した。前日は神様やお守り、また鉛筆や消しゴムまでにも願いをかけた。とてもリラックスする余裕などない。いくら勉強嫌いな私も1ヶ月前からは必死になったほどだ。しかし最悪なことにいままでの本当に最後の復習をしようと思っていた入試の前日に風邪をひいた。幸い入試当日には風邪は治ったが、風邪のために早寝をしなければならず前日に復習を少ししかできなかったショックは余計緊張にもつながった。
 「ぺら」と問題用紙をめくる音が聞こえ私は慌てた。まだ自分は一枚の半分程しか解けていない。そのうち分からない問題もでてきた。もう少しで頭がパニックになりそうだったが心を落ち着かせて、後回しにしたり、違う問題を解いたりして時間を有効に使うことにした。頭を冷静にして考えると、いつも解いているような問題や少し複雑だが計算をすれば解けるような問題が沢山あった。もちろんとても難しくて解けない問題が沢山あったがいままで勉強してきたことを少しぐらいは出せたと私は思った。そして当然かも知れないが入試は無事合格だった。あの時に冷静になってよかったと私は思う。
 また、去年の卒業式の時も緊張した。去年は小学校の在校生の代表として卒業式にでた。四年生の時もでたので二回目だから緊張しないはずなのだが四年生とは少し違う。四年生は出番も少ないし呼びかけの時もみんなで言った。しかし五年生はもっと重大な役目だった。呼びかけの時は一部の人だけ一人でいうところがあった。最後に色々な楽器で演奏をして卒業生を送った。そして何よりも重大なことに卒業生から伝統のバトンを受け継ぐのだ。私はその中でも重大な役目だった。呼びかけではソロに選ばれたし、演奏ではピアノを演奏した。立候補する時はただやりたいというだけだった。しかし選ばれるとそうではないことも分かった。呼びかけでは間違えないことはもちろん、大きな声ではっきりといわないといけないし、ピアノも一人なので間違えたら余計に目立つ。まるで大きな試練のようだった。しかも、もし何か間違えたら自分が恥ずかしいだけでなく色々な人迷惑になるのだ。卒業式当日はこれ以上ないぐらい緊張していた。手には汗が出てきて異常なほど震えていた。また、卒業生の保護者の方々が一人入るごとに緊張が高まってきた。そんなに緊張していたので、もしかしたら卒業生よりも緊張しているかもしれないと自分でも思った。しかしいままでの緊張の成果が出て失敗がなく終わった。(前の話)
 人間にとって緊張とは成功した時に喜びを倍に感じさせるものだと思う。緊張するのは決して嬉しいことではないが、緊張した後の喜びはすがすがしい。
 「あ〜終わった!」
緊張した入試が無事終わり、私の心はさわやかな風が吹いた。(書き出しの結び)

   講評   jun

 ポテチさんの緊張感がひしひしと伝わってくる作文になりましたね。試験が始まる場面での書き出しは、臨場感があってとてもいいです。試験の最中にパニック状態に陥りそうになりながらも自分を取り戻すことができてよかったね。シーンと静まり返った教室では、ちょっとした音も気になるものですよね。
 昨年の卒業式では、呼びかけのソロとピアノの演奏という二つの大役を果たしたのね。これは緊張しますよね。ポテチさんの気持ちはよくわかります。今年の卒業式の方が気楽かな。
 緊張した分だけ成功したときの喜びが大きくなるとはそのとおりですね。書き出しの結びはお見事。緊張感あってのさわやかさですね。
               

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