創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   緊張、緊張飛んでけ〜   キティ

緊張、緊張飛んでけ〜

 私はあまり緊張しないタイプだ。テストの前なども全く緊張しない。緊張をしたら、頭が働かなくなってしまう。友達のロマーナちゃんはテストがあると、必ず思い出のキーホルダーの束と大好物のリンゴを持って来ている。そしてみんなにがんばってね、がんばろうね、と言って握手をしている。これほど緊張してわりには、成績がいつも一番なのだ。このように緊張している=成功という例はとても珍しいだろう。たいがいは緊張をすると失敗をしてしまう。

 しかし私も全く緊張しないというわけではない。大勢の前で劇をする時や、スピーチをする時などはさすがに緊張する。一番緊張したのは九才の時だった。学校の発表会で、『しんせつな友達』という劇をした。動物達がお互い助け合う話しだった。私は家で何度も練習してきたのだが、なぜか舞台に上がる前から緊張していた。私はキツネ役だった。黄色いお気に入りのスカートを着て、手作りのキツネのお面をかぶって、舞台に上がった。舞台のまくが開いて、大勢の人が拍手をした。するとますます緊張してしまった。顔が赤くなって、声が震えて、口の中はカラカラ、頭もカラカラ、両手は汗でビッショリ、足が完全にすくんでしまった。セリフを間違えないように冷静になろうと努力した。しかしセリフが頭から飛んでしまったので、慌てて舞台のそでにある台本に目を通した。劇が終わったら、オレンジジュースをビールみたいに一気に飲んだことをよく覚えている。

 緊張をしたら、うまくいかなくなる。どうすれば緊張をせずにすむだろう。色々な実験をしてみた。私は一人でクラスの前でレポートを発表してみた。すると少し緊張してしまった。しかし友達三人とレポートを発表した時は、リラックスすることが出来て全く緊張しなかった。逆に自分の出番が来るのが待ちどうしいくらいだった。そしてクラスのみんなの顔がよく見えた。先生が下を見ながら、あくびを殺しているのも見えた。友達と一緒だと、緊張感を分け合うことが出来るのだ。
 もう一つの実験はイメージトレーニングだ。すべてが終わった後、お風呂に入って、まだポカポカの温かい体で、冷たいオレンジジュースを飲む・・・。このような想像は、私の緊張をほぐしてくれる。
 高橋圭三とう名アナウンサーがいた。彼は努力家だった。家のリビングルームで、何度も何度も台本を繰り返し読み込んでいたという。「準備をするのは自分が一番下手なアナウンサーだから」が口癖だったが、本番には「自分は日本一のアナウンサー、これだけ準備してきたのだから」と言い聞かせ臨んでいたそうだ。やはり緊張しないで本番に臨めるには、努力と完璧な準備をすることが大切なのだ。そして自信をたっぷりもつことなのだ。

 テストを受ける時はやはり緊張する。少しでもそうならないように、私は良い成績をとったことを思い浮かべている。そうすれば自信を得ることが出来るような気がする。自分を信じることが緊張に対しての一番の薬だと思う。テストの前にいつも緊張をしている友達のロマーナちゃんにも、この方法を教えてあげたい。あっ、でもそういえば、ロマーナちゃんは、私よりずっと成績がいいんだった。余計なお世話か。ハハハハハ・・・

   講評   yuu



 学ぶべきことの多い作品で、私も大変参考になりました。
 緊張というのは不思議なものです。緊張しやすい人もいれば、いつも堂々と常に自分を発揮しアピールできる人もいるものです。社会に出ると、初めて会った人と長い時間をかけて難しい話をしたり、お礼を言ったり、謝ったりする機会が増えていくものです。緊張しているかしていないかなどは考えている暇もありません。というくらいに、本当は我を忘れて緊張の鬼になってしまっているのでしょうね(笑)恥ずかしいぃ〜(^_^;


 オレンジジュースをビールのように、ごくごくと飲む姿が面白く表現できていますね。かわいい!
 ところで、この緊張というのは一体何なのでしょう?
 緊張は私たちの本当の姿や実力を表面化するためにはとても邪魔な存在に思えてしまうね。緊張していなければ、もっといろいろお話できたのに……そうしたらもっと仲良しになれたり、すべてがうまくいったのに……などと思うこともあります。私もありますからね。
 緊張は誰にでもあるものです。しかし、自分の緊張感を上手くコントロールできる人こそ、本番に強い実力派なのかもね。
 自分に冷静に、という言葉で自分の緊張を解いていこうとしている姿が大変印象的でした。高橋圭三さんのように、充分な(充分すぎる)下準備があれば、実際の本番ではあわてたり、迷ったりしないで、自分の冷静さと発言をうまくコントロールできるのでしょうね。尊敬してしまいます〜〜!
▲直してみましょう!
これほど緊張してわりには → これほど緊張した(している)わりには


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