創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ちょっと待って環境破壊   キティ

ちょっと待って環境破壊

 作者の家は自動車がやっと通れるぐらいの路地に面していた。その路地は、さまざまな人や動物の散歩道として利用されていたそうだ。彼自身もコンクリートにはあきあきしていて、道ばたに草が生えている風景を心ひそかに楽しんでいた。しかし数年たって路地全体に異変が起きた。下水道工事が始まって地面がほりかえされてしまったのだ。ネコジャラシにスギナ、スミレもタチイヌノフグリもそれ以来、路地から姿を消してしまい、地球のかけらではなくなってしまったのだ。(要約)

 母の実家は横浜市港南区野庭町にあった。母が子供の頃は、作者が住んでいた町のような風景だったらしい。静かで、ゆったりとしていて、緑と山がいっぱいあり、たまにはタヌキやモグラ、カエルなどが出て来たりして、ビルは一件も建っていなかったそうだ。私は二〇〇二年の夏に母の実家があった場所をたずねた。吉原小学校から通学路を歩いて昔の家のあたりについた。今は母の家の敷地には、小さなアパートが二軒も建っている。少し行くと余計なビルもたくさん建って、ゆったりとしていた緑もほとんどなくなっていた。動物達もきっともういないだろう。広い幹線道路もできて、車がたくさん走っていてとてもうるさかった。店も続々と並んで建っていた。母の子供の頃の写真と比べたら、昔の面影は全く無かった。この目の前の環境の変化を見て、少し恐くなってしまった。もしかしたら今私が住んでいるこの田舎町も、何年か経てば母の町のようになってしまうかもしれない。大きなビルが何件も建って、高速道路もできて、緑がなくなってしまうかもしれない。・・・しかし、私の住んでいる町の風景は、町ができた七百年前からほとんど変わっていない。道や家などの町並みは全く変わっていない。なぜ七百年も同じ風景を保てたのか。それは、この国には日本のように地震などの災害や梅雨などの厳しい気象条件がなかったからだ。

 なぜこんなに昔の風景を変えなくてはならないのだろう。緑を破壊してまで、余計なビルなどを建てるのだろう。しかし無意識にビルや幹線道路を作ったわけでもない。幹線道路があれば、車がたくさん通って、店などにとってはお客さんが来るのでよいだろう。つまり便利な方をとるか、環境を守るか。このどちらかをとるしかないのだ。私は環境を守りたい。なぜなら一度失ってしまった自然を元に戻すには、最低五十年はかかるからだ。一度山の緑をなくしてしまったら、こわした人は元に戻った山を見ることは不可能なのだ。
 母は何も変わっていないままの自分の故郷を私達に見せたかった、と言っている。私も母の勉強していた机や、集めていた自慢のマンガ、夜ヒョッコリ出てくる動物達を見たかった。しかし動物達は山がなくなってしまったので、もう二度と出てこないだろう。本当に残念だと思う。作者もいうように、また一つ地球のかけらが消えてしまったのだ。

 母には大きな夢がある。それは『年末ジャンボ宝くじ』で三億円を当てることだ。母は去年から宝くじを買っている。当たったら、昔住んでいた横浜市港南区野庭町の土地を買い戻す計画らしい。そしてアスファルトの道を全て土の道にして、花を咲かせるそうだ。環境を巻き戻しするらしい。母らしいなぁ。私も心から応援している。もし新聞でこのような記事を読んだら、みんな驚かないでくださいね。

   講評   yuu


マリアちゃんとマリアママの夢。とてもステキな計画です。緑再生計画だね。しかもその夢への道のりには「年末ジャンボ宝くじ」がある、というのも、なんともお二人の明るく朗らかな(ほがらかな)お人柄を感じました。
 今日は反対意見の賛成がとても上手にできていましたね。ずばり言いますと、「しかし無意識にビルや幹線道路を作ったわけでもない。」からが反対理解の文章になっています。

 今、マリアちゃんが主題のお勉強で続けている一般化の主題より一歩進んだ課題です。
 Aという意見があります。それに対するBという意見があります。Aを肯定する作文を書くわけですが、反対の意見であるBの中からも良いところを見つけてあげることが反対理解です。これは、AもBもどちらかが正しい、どちらかが間違っている、という○か×かの発想ではないからです。確かに多くの自然を破壊してきた人間達ですが、おかげで便利で快適な生活を手に入れました。昔ならば完治しなかった病気も治せるようになっています(科学と医学の進歩だね)。救急車が入って来れなかったような田舎道にもきれいな道路ができて、そこに住む人々は大きな安心を手に入れました。
 A・Bどちらか? という考え方ではなく、A+Bです。しかし、A+B=AとB にはなりません。A+B=C になることが一番大切なことなのです。この意見Cこそが、マリアちゃんの主題でもあり、マリアちゃんの願い、思いの集大成になればいいのです。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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