国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   何のための価値観か?   FULLMOON

 私たちの支配者は今、かつてのように名前を持ち、ハッキリ目に見える権力者として君臨していない。社会的な価値という千変万化する形をとって私たち一人一人を支配するようになっている。無意識に、そのとき常識である文化のコードを私的コードにとりこみ、それに身を任せていることが多い。それは「人の手」が加わらない自然の中へ逃れていても同じである。デラックスな休暇の宣伝に誘われて自然に親しむ人々なども、しっかりと文化のコードにからめとられているのである。
 自分の価値観をずっと持ち続けることを大切にする考え方がある。そうした人間は、くっきりした自分を持っていると周りから思われる。私が去年同じクラスだったKという女子がいた。彼女はとてもしっかりした人で、いつも、自分はどう思うのかはっきり言える人で、1年生後期は学級委員として仕事を共にした。ある日、その人と多人数で話す機会があったとき、こんな話を聞いたことがある。
「小学校のころは周りが言うから、モー娘。だ、モー娘。だ、って騒いでいた。でも中学に入って、好きなことに熱中できるようになった。そうすると自然と活動の取り組みも変わってきた」
彼女も、自分のスタイルが保てたからこそ、自分の“新しい”スタイルを確立できたのだと私は思った。もし誰もが自分のスタイルを成形していなかったら、誰かが始めたことを誰もがはじめ、世の中が一色に染まってしまうだろう。
 しかし、時代や周りの流れに合わせて自分の価値観を変える必要もある。童話である「アリとキリギリス」のキリギリスだって、アリの「働く」ことに対する価値観にあわせて生活すれば、困ることはなかった。私の親はどうも現代の常識に乗ろうとしない人だ。携帯電話に関して言うと、5〜6年前に買った、白黒で折りたためない携帯を機種変更しようともしないし、予備校の帰りには私に必ず公衆電話で連絡させるから、実は通話だけなら携帯を使ったほうが安かったりする(笑)。時代の流れについていけなくなったときに、実は自分がどこにいなくてはならないのか、見失うことだってあるかもしれない(そんなに親を強く批判するつもりはないが/笑)。
 時代に流されない価値観、時代によって変えて行く価値観の二つとも確かに大切である。しかしもっとも大切なのは、「未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある。」という名言のように、今のことだけでなく、未来の価値観を作ってゆくことである。例を挙げると、今、高校進学へ向けた勉強に価値を覚えるのなら、高校に行ってから、自分は何に価値を見出すのか、そこが大切なのではないか。それをかなえるために、どこの高校へ行けばどんな活動ができるのか、そこから考えてゆくべきではないだろうか。たとえば高校へ行ってからバンドを組みたいなら、今からその準備をできる限りして、自分の力を溜め込むことが必要である。そして高校進学が確定してから、自分のやりたいことをどんどんやっていくべきであろう。
(総合化)

   講評   kamono

価値観という課題のもとに、よい意見文が書けました。最初の要約も、課題文をより分かやすくまとめることができて感心しました。ご両親の携帯をめぐる話、ユーモアがあって、これもよかった。価値観という言葉を自在に使って文章を進めているのも感心します。四つの段落にしたがった展開の仕方もぴったりでした。
結び、高校受験をどう考えるか、「高校進学へ向けた勉強に価値を覚えるのなら、高校に行ってから、自分は何に価値を見出すのか、そこが大切なのではないか。それをかなえるために、どこの高校へ行けばどんな活動ができるのか、そこから考えてゆくべきだ」との意見は、しっかりした考えを見せられて、読むものを大いに納得させるものがあります。
何十年も前の、私の高校受験のときのことを思い出すことになりました。ただ合格したい、その気持ちの一点張りでした。(というのも、一度は商業高校に進学し、それを一学期でやめて、つまり中学浪人をやってしまったこともあったのですが。)それに比べて、高校に進学してから、何をするか、そういう価値観が芽生えてきたのは、実際に高校に入ってからだったなあ、とほろ苦く思った次第です。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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