創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   人の豊かさ   ヘノチャ

 私達にとって、旅をすることとは、異次元への飛翔や旅の中での感動を与えてくれるものである。人が旅の中で新たな感動を感じるような、人の新たなものを求めようとする好奇心は人が創造的であるために欠かせないものだ。私は日々の生活の中で好奇心と言うものを忘れずに生きていきたい。
 その方法としてはまず、身近におこりうることに関心の目を向けることが必要だ。小学生の夏休みの課題としてよく、自由研究が出される。私も小学校の六年間は毎年この、夏の自由研究を楽しみにしていて、真剣に取り組んでいた。研究材料は街中にあふれかえっている。普段何気なく触れている植物や、電球、虫など探してみればいくらでもあるからである。そういうものから、自由研究の宿題を終え、後から思い出してみると、不思議と実際に作り上げたその作品よりも、それを作り上げるまでの過程を思いだされる。ある人は、毎日、山に通い蝶を採集した。ある人は、モンシロチョウを飼いその成長の過程を記録した。私は、電流について調べ、実際に簡単なおもちゃを作った。今思えば自由研究とはそれ自体を完璧に仕上げることではなく、その過程で普段見たり、聞いたりはしているが深くは追求したことのない、つまり関心の持ったことのないことについて、実際に触れ、考え、まとめ上げることに意味をなすのだと気づかされる。そうやって、さまざまな事に関心を持つことで、好奇心が生まれ、自由研究のように人に強制されなくても自然と日常の中でさまざまなものに触れてみようとする好奇心がうまれる。
 次に考えられる方法は、他人と知識の交換をすることで自分の今まで関わったことのないものへの好奇心をもつことだ。これはなんに対してもいえることだが、例えば世界の貿易を考えたときも、数世紀前のまだそれぞれの地域の文化が世界に広がっていない頃の貿易では、相手国のもってくる珍品はもちろん自国にとっては興味のわくものである。1543年にポルトガル人が日本に漂流した。有名な鉄砲伝来の年である。みずしらずの異国人のおみやげを織田信長はどのような好奇心をもってとらえていただろう。当時の日本に戦で鉄砲を使う文化はなかったが、この鉄砲伝来によって、織田信長が初めて戦で鉄砲を使うようになったのである。これは、なにより彼が、どのくらい鉄砲というものに好奇心を抱きそれの実用性の高さに関心したかの結果である。貿易に限らず、芸術やスポーツ、食や風習などその国々、人々の間で自分達の文化、育ってきた環境での知識を交換することで自分の視野は更に広がり、同時に好奇心の行き届く範囲は広がる。(歴史)
 確かに自分の今興味にあることに時間を費やすこともよい。しかし、さまざまなものごとに好奇心を持ち、それを知ることは、数学の問題を解くときに国語の文章力を使うときがあるように、その時その場で役立つことはなくとも確実に自分の中へと浸透し、全くかけ離れているようなものに作用するときがある。好機心をもつことは、その時その場だけの楽しみではなく、これからの人生を豊かなものにするための材料になる。人生を豊かにするためにも、いくつになっても人は好奇心を持つことを忘れてはいけない。好奇心を持つことで昨日までただの道が楽しみや喜びを兼ねる道になるかもしれない。そして、その人の人生もまた、その道のように豊かなものへとなるのだと思う。

   講評   kamono

とてもよい文章がかけましたね。読む方がうれしくなるような文章です。課題の文章も若い人に読ませたいよい文章でした。それに負けない文章です。前に少しあった変換ミスのようなものもありません。書き出しから結びまで流れるように読めます。内容は申し分ありません。四つの段落にしたがって書く文章がぴったり決まっています。
自由研究を取り上げて、その課程が大切だという指摘は説得力があります。「……それ自体を完璧に仕上げることではなく、見たり聞いたりはしているが、関心を持ったことのないことに実際に触れ、考え、まとめ上げること、……そうやって、自然と日常の中でさまざまなものに好奇心がうまれる」。ここのところがいいですね。
次に、知識を交換することだと言っておいて、ポルトガル、鉄砲伝来、信長、好奇心へと展開してゆくところも、視点がよくて感心します。数学の問題を解くときの国語力という指摘もいいですね。「その時その場で役立つことはなくとも確実に自分の中へと浸透し、全くかけ離れているようなものに作用するときがある」。その通りですね。
結び、「人生を豊かにするためにも、いくつになっても人は好奇心を持つことを忘れてはいけない。好奇心を持つことで昨日までただの道が楽しみや喜びを兼ねる道になるかもしれない。そして、その人の人生もまた、その道のように豊かなものとなる」。ここは、そのまま自分に置き換えて読ませてもらいました。書き出しから結びまで、書く人の思考したことがよく出ていて、それがよいのです。
昨夏、ポルトガルを旅してきました。旅とは、課題の文章が言っている通りですね。
新しい自分を発見し、生きることへの新鮮さや意欲をかき立ててくれますね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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