創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   参加すること   しっぽ

 昔は、演奏会は「バックミュージック付きパーティー」だった。観客が音楽を静かに聞いているということはなく、みんなそれぞれ好き勝手に楽しんでいた。今でこそ演奏会は、観客と演出する人とがはっきりわかれているが、それはごく最近のことである。演じる側、観る側が分離されているのは、どちらもやりやすいが、一方的に与えるのではなく、観客からも積極的に参加していけるようにしたい。(生き方)
 まず、そのための第一の方法に、参加することを恐れない、ということである。私は演劇部である。この部活には、個性の強い子がたくさんいる。私はその中でも特に目立った特徴のない、普通の人だと思う。演劇の練習の項目の中の一つに、即興というものがある。台本はなく、テーマを与えられ、それぞれが役を演じて劇を作りあげていく、というものだ。台本が無いので、それぞれが気をつけて台詞を発し、物語を進めていかなければならない。私はこの練習が嫌いだ。決められた台本の登場人物になりきって、台詞を読むのは簡単だ。しかし、即興は、自分の一言一言に物語の結末がかかっているのだ。大袈裟かもしれないが、自分の発した何気ない言葉が、物語を成功にも失敗にも導く。それが怖いので、私はいつも自然と脇役に回ってしまう。ある日、とても気分が良い日があった。その日も部活で、練習内容は即興だった。私はとてもやる気が溢れ、積極的に物語を進めていった。終わったあと、いつものように「振り回された」という感覚はなく、「やってやった!」という爽快感があった。何事も参加することに意義がある。(体験)
 また、第二の方法に、上に立つ人が何でも決めてしまわない、ということである。誰かが決めたことに従ってばかりいると、自分が一人で物事をやり遂げなければならなくなった時に、何から始めれば良いのか、全くわからなくなってしまう。織田信長は、幼い頃から親の言うことを聞かなかった。我が道を行く、という考えは定着し、自分が上に立つ者となってからもそれは色々な場面で表れた。ある戦いの時、信長の軍は敵の軍に攻められそうになる。家臣たちは、信長に出陣を促すが、信長は居眠りをし、なかなか戦いに出る様子を見せない。誰もがもうだめだ、と思い始めたとき、信長はおもむろに出陣の仕度を始めた。信長の判断に間違いはなく、その戦いに勝つことができた。誰かの意見に従うだけでなく、自分の意見を信じ、貫きとおすことが大切だと思う。
 確かに、自分一人が考えていることを実行するのは、何か確証があるわけでもないので不安だ。それなら人と同じことをしたほうが成功率が高いかもしれない。しかし、相手の意見を尊重するのは、自分の意見と照らし合わせ、よく吟味してからできるものだ。はじめから他人をアテにしているのでは、全く進歩がない。「子供は大人を小さくしたものではなく、それ独自の価値を持っている」という名言もあるように、自分がつまらない人間だから、と思わずに、まず自分自身の持つ価値に自信を持てるようにすることが大切だ。

   講評   jun

 今回も実例の豊富ないい感想文に仕上がりましたね。まず、自ら参加することの大切さを演劇部での体験から考えることができました。受け身でいるだけでは、自分の世界を作り上げていくことはできませんね。二つ目の方法の織田信長の伝記実例もぴったりの実例です。全体としてはよくまとまっていますが、この伝記実例辺りから少しテーマがわかりづらくなっているようです。書き出しの意見は、「積極的に参加していきたい」ということなので、結びも、「自分自身の持つ価値に自信を持てるようにすることが大切だ。」ということだけではなく、「参加」というキーワードを使ってまとめた方が書き出しの意見とのつながりがはっきりしていいと思いますよ。

■「伝記」というキーワードを忘れずにね。

     

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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