創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   縄文土器を見て感じるもの   うのた

 「縄文土器を見て何を思うのか。その異質さから日本風とはまるで正反対のようである。しかし、我々現代の日本人に問いかけている何かを示しているようだ。魂を呼び起こすような、壮大な創造のパワー、再発見、再獲得。それに対し、現実的であるが故の形式的で惰性的な、いわゆる風流と言われる日本観。二つを両立するのは至極難しい事である。」この著者の文章を私が要約するとはこのようになった。どちらかに絞れることは出来ないだろうか。
 確かに、風流な日本文化こそ美徳だという意見もある。それは我々日本人が一番慣れ親しんでいるからだ。例えば、日本人の中で、派手な造形美よりもシンプルで奥ゆかしい美しさを求めるひとは多いだろう。恐らく日本に長い間住んでいればそうなる。概して言うと、昔から支えられてきた日本文化がそうであるからだ。しかし現在では日本のかなでも多くが西洋化されている。日本の住宅を見ても和室と洋室の比を考えれば一目瞭然だろう。そうすると、比較的派手で美しい西洋の芸術を好む人も大勢いると思われる。しかし、それは日本だろうが西洋だろうが、ある特定の地域の文化である。つまり自分の慕う文化圏においては、文化という習いに従い生きていく事が美徳だと考えられているのかもしれない。「日本は真面目なのが好まれる。イギリスでは冗談好きが好まれる。」こんなことを聞いたこともある、が、この真意はわからないのでさておき。
 だがしかし、文化を前提としない、自然そのものからの創造の方が素晴らしいという意見もある。圧倒されるようなパワー、根性、エネルギーが秘められているというのである。その例が縄文土器である。なるほど、そうかもしれない。先ほど述べた文化が築き上げたもの、それは文化にいる人間が最も親しんでいるのでまさしく美しいものである。そして縄文土器なんかよりは日本風の芸術のほうが見た目も明らかに風流である。視覚的に比べれば縄文土器はガラクタも同然である。しかし縄文土器にはあって、日本文化と言われるものには無いものもあるような気がする。それはまた異質の「美」である。小さい細工などが無く、ドーンとスケールのでかいような。自然の力の創造美があるといわれればその様な感じはしないだろうか。つまり、日本の風流物はなんだか細かないような感じなのである。絵にしたって筆や紙といった自然物でないものを使い、音楽と言っても楽器を使い、歌と言っても文化によって得られる知識を組み合わせて作っている。一方、縄文土器は生粋の自然物質である粘土を使っている。音楽もあるとすれば、竹に穴を開けたりしているのではないだろうか。そこら辺は私の勝手な想像であるが、やはり縄文土器には壮大な美があるようである。
 私は文化よりも自然美を選びたい。圧倒されるようなとても叶わない力があるからだ。だが現代社会に生きている以上、文化や社会と言うものを無視できない。ここら辺がこの著者がいう矛盾点なのではないだろうか。だから私もこの著者と同様、両立して生きなければならないと考える。しかし、本質的なことはやはり、無からの創造、自然のパワー、ミラクル、エネルギーが大切である事。そして実は、このことがかえって世界文化を生かすことを、次の名言が示しているように思う。「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である。」

   講評   sugi

 長文のテーマのまま、文化、芸術について書いてみたのだね。非常に難しかったと思いますが、じっくり文章を練り上げることができました。何より、長文の内容が完全に自分のものになるまで読み込んだのが良かったね。おそらく日本史で勉強したときには、縄文土器がそのような異様な美を持っているとは気づかなかったでしょう。教科書で勉強して分かったつもりになるのではなく、実際に見て触れて肌で感じることが大切だということも考えさせられる話だね。

 総合化の主題を中心にした組み立て、難しくて毎週苦労したけれど、もう完全に自分のものにすることができたのではないかな? 結びの段落の名言の入れ方には感心しました。余計な説明を加えないで、余韻を残して結んだところがうまい!
 最後まで力を抜かずに、すばらしい作品を仕上げてくれました。毎週、峻輔君とお話をし作品を読ませてもらって、私のほうがいい勉強をさせてもらったように思います。これからも、堅い文章を読み書きする機会を積極的に作って、勉強を続けてくださいね。森リンの自動採点によれば、この作品は84点で今月の第一位(ベニバナ)となっています。(2月29日現在)おめでとう!

「読書欄」読みましたよ。ありがとう!

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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