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　　　舗装されていない道　　　ラブリー

　今、道路はほとんどがコンクリートで舗装されている。
　そんな中私の家の近くには、半年ほど前までコンクリートで舗装されていない道があった。その道は川沿いの道で、雨が降るとぐちゃぐちゃになってしまうような道だった。この道は、人間が使うだけでなく、猫のたまり場でもある。野生の猫が約10匹ほどいるのだ。えさをあげに来る人も少なくない。
　そんな道が、最近コンクリートのに舗装されてしまった。そのため、はしのほうに少し土の道が残っている以外、固いコンクリートの道になってしまったのだ。よくこの道を通っていた私は、便利になったと喜んでいた。もうぐちゃぐちゃになった道を通って、靴下やズボンを汚さないですむと思うと、思わず顔がほころんでしまいそうなぐらいだった。しかし、住みついていた猫はどうなってしまったのだろうか。猫たちの前を通ると、私の顔をじっと見つめてくる。普通に見られてもかなり独特な目つきをした猫だが、この野生の猫はまるで私に何かを訴えているかのような強い目つきをしながら、じっとこちらを見ていたのだ。多分、道路を舗装することに反対しているからだと思う。その証拠に、猫たちははしのほうのまだ土の部分で過ごしていたのだ。土のところではなくても、いつもはしやコンクリートではないところに座って、私達をじっと見ているのだ。真ん中は人が通るからかもしれないが、コンクリート部分で過ごすことはほとんどなかった。
　この猫のように、どこかですべての道をコンクリートにすることを反対している人はたくさんいると思う。自然界の動物や虫はほとんどがそうだと思うし、自然を愛している人も反対していると思う。
　学校の近くにも舗装されていない土手があるのだが、そこに行くといろいろな発見がある。
　最近はあまり行かないが、理科の授業の時によくその土手に観察に行った。虫はたくさんいるし、きれいな草花もたくさんある。バッタは至るところで跳んでいて、時には毛虫が落ちている時もある。虫が大嫌いな私には耐えがたいこともあるが、それでも私はこの土手が好きだ。発見することは、とても楽しいことだからだ。
　もしいろいろな発見ができる土手がコンクリートに舗装されてしまったら、私も悲しむと思う。なぜコンクリートにする必要があるのか、全くわからない。
　でも、猫たちもこういう気持ちなのかと思うと、とても悪いことをしているような気持ちになる。私がコンクリートにすると決めたわけではないが、とても申し訳ない気持ちになるのだ。
　土手などには、たくさんの雑草が生い茂っている。雑草と聞くと、あまりいい感じがしない。『雑』という字が使われているからだろう。わたしも最初はあまりいい感じがしなかった。けれど、学校にある学級園などの雑草抜きをしていると、実はきれいな草があったりするのだ。いらない草だと思って抜いていても、思わぬところにいろいろな発見があるのだ。それを見落としてしまうのは、とてももったいないと思う。この地球には、いらないと思われる草は1つもないはずだ。でも、それをいらないと勝手に決め付けてしまうのが人間のいけないことだと思う。
　人間にとって舗装されていない道とは、いろいろな発見がある楽しい道だ。土手や舗装されていない道には、植物も動物も虫もいろいろな物がたくさんいる。たくさんの発見をすることができる道を、舗装してはならないと思う。今人間が便利でも、もし10年猫も虫も動物も、そして人間もが住みにくい環境を作ってしまい、後悔する日がやってくるかもしれない。今がよければそれでいいではなく、ずっと人間にも猫にも地球にもいい環境を作れるように努力しなければならないのだ。今残っている舗装されていない道には、そのまま残っていてほしい。そして、地球のかけらをいつまでも探していられるような道になってもらいたい。

　　　講評　　　nara