国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   幸せは袖妻につかず   一休さん

   幸せは袖妻につかず   
 一休さん 
 「カリカリ、カリカリ・・・・・・。」
三月一日、去年の今頃は、明るい電灯が照らす中、机の上で鉛筆を走らせていたことだろう。去年の三月から、今年の一月まで頑張ってきたことは入試に向けての勉強である。今思うと、自分でもよくやってきたな、と感心してしまう。長い間苦労してきたんだなと。
 二月に僕の通っている日能研に六年生として初めて歩んだ時に、先生が「入試での合格は非常に難しいもの、きちんと勉強をしなければ絶対に落ちてしまうのだ。」みたいに脅かされたものだ。このことを気にしたのかどうか分からないが七月までやる気を出して勉強をした。しかし九月になると成績が下がっていった。まるで株の大暴落のように心を冷たくし、ズタズタにしていった。ここで引き下がるわけにはいかない。そう思った僕は父母の励ましや自分の気持ちで立ち直った。そして、十二月に成績が回復した。一月に勉強の復習をしてついに本番の二月がやってきたのだ。ドックン、ドックンと、この世が終わってしまうわけでもないのに心臓が鳴り響いている。二日目の栄光学園への入試合格は僕の本望であった。だが、本番の時に急にお腹が痛くなってしまいトイレにこもるような事になってしまった。この時、僕はある対策を練った。それはお腹とズボンの間に手持ちカイロを挟むという、いかにも火傷してしまう大胆な対策であった。しかしながら、見事成功した。落ち着いて正確に問題に取り組むことができたのだ。試験が終わった後に、ちょっとした満足感が生まれていた。そして翌日、合格発表の時がやってきた。受ける時よりも合格発表を見るときのほうが比べものにならないほど緊張していた。僕の受験番号は56であり、「合格、結ぶ」にからませて信じてきた。僕の番号・・・・・・あった! 今まで最高の喜びであった。今までの苦労が報われたのであった。
 入試をするということを知ったときは早くも四年生であった。そのときに日能研の先生が「だんだん入試ということを自覚するようになるでしょう。」と話された。本当にそうなるのかな、本当にできるのかな。と数々の不安が積み重なったが、それを解消してくれたのがある先生の言葉であった。「信じなさい、自分を。・・・・・・なあんてね!」と女の人の軽い言葉によるものであった。そして気が付いたら六年生になっていたのであった。時が過ぎるのは早いものである。
 今回の入試で学んだことは、人間とは他の人の助けと自分のしっかりとした気持ちがなければ頑張ることはできない。たとえ、一人で頑張ったとしてもいい結果ができるのだろうか。それはやったことがないから僕にはとても分からない。両親・先生の思いやりがなくて何ができるのであろう、僕には想像することが全くできない。幸せは袖妻につかず、何事も努力をしなければ報われないのである。「カリカリ、カリカリ・・・・・・。」
今も僕は中学校に向けて鉛筆を走らせて机の前に向かっている。

   講評   jun

 むずかしい言葉を題名にしたね。幸せは生まれもったものではなく、自分の努力とそれを支えてくれる周囲の人たちの思いやりによって得るものだということを身をもって体験したのだね。受験という過酷な戦いを見事に戦いぬいたからこそわかったことかもしれない。一休さんは、この受験という体験と通して多くのことを学んだようだね。

<構成>
 書き出しを工夫し、それをうまく結びに使うことができました。中学校に向けて、もう新たなスタートを切っているのだね。結びは、カギかっこから行を変えた方がいいね。
<題材>
 四年生のころの話を「前の話」として入れることができました。このときは、まだ受験という実感が持てなかったかもしれないね。でも、すべてはこのときに始まっていたのだね。
<表現>
 「まるで株の大暴落のように心を冷たくし、ズタズタにしていった。」というたとえはうまい。ただ、この文は、「まるで株の大暴落を目の当たりにしたように僕の心は冷たくなり、ズタズタになっていった。」などとするとなおいいかな。
<主題>
 「人間とは」という言葉を使ってまとめた部分は言うことなし。この作文はご両親へのプレゼントになったね。

☆森リンでも高得点。70点は立派ですよ。

■キーワードをただし書で入れることについてはまだ話をしていなかったね。項目表の●印のキーワードを作文に入れると各項目に◎がつくしくみになっています。作文の中に自然に入るものはそのままでよいけれど、自然に入らないキーワードはかっこ書きなどで入れておいてね。今回は説明不足だったので全部◎にしておきましたが、次回からはキーワードが入っていないものは内容的にできていても○になってしまうから気をつけてね。
                               

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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