創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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三人はむずかしい! デイジー
「ねぇ〜。今日なに食べた? わたしはパン半分と、ヨーグルトだったよ。」
とわたしは元気よく言いました。エイミーさんは、
「わたしはね、たまごとパンだよ。」
とニコニコしながら答えました。
わたしとエイミーさんはとてもなかよしで、一年生の時から毎朝いっしょに学校へ通っています。学校へ行く間は楽しいおしゃべりをしています。その楽しいおしゃべりとは、きのうのゆめのこととかテレビのことなどです。エイミーさんはまるでおわらいタレントみたいに、つぎからつぎにおもしろいことを言ってわたしをわらわせてくれます。それにいつもニコニコしていてどんなときでもやさしくしょうじきなので、みんなにすかれています。いつのまにかわたしたちは親友になっていました。
(こんないい親友がいてうれしいな。わたしってなんてしあわせなんだろう。わたしはなんてめぐまれているんだろう。)
と思いました。
でも近くに家が立ちならびました。そして2年生の子も引っこしして来ました。引っこししてきた女の子のラブさんはわたしといっしょの2−1組になりました。エイミーさんは2−2組です。
さいしょは三人で行っていましたが、とつぜんエイミーさんがラブさんといしょに行くのがいやだと言い出しました。エイミーさんは、
「わたしはデイジーさんと行きたいんだけど、ラブさんがぶつまねやキックをするまねをするからいやなんだもん!」
とわたしにだけこっそり教えてくれました。わたしは、
(エイミーさんキックのまねやブツまねをされてどのくらいつらかったのかな? かわいそう。)
と思いました。
エイミーさんはつぎの日からべつのお友だちと行くことになったので、わたしはラブさと二人で行くことになってしまいました。ラブさんが、
「あれ?エイミーさんは、デイジーさんだけ?」
とわたしに聞きました。わたしは、
「キックとかのまねがやだったんだって!」
と少しおこった声で言いました。
「あ〜まねでしょ!」
とラブさんが、はんせいしていないように言ったので、わたしはちょっとムッとしました。わたしはラブさんにきちんとあやまってほしかったのです。本当は前のように三人で行きたかったのです。でもラブさんがエイミーさんにいやなことをしたので、行けなくなってしまいました。またいつか三人で行けるといいな、と思います。
講評 nara
イニシャル(AさんBさん)ではなく、ペンネームのようなあだ名にしたのだね。これでもいいよ。インターネットで文章を発表するときには、こういう工夫(気づかいかな)は大切だ。
題名に、今のデイジーさんの気持ちがよくこめられている。エイミーさんとラブさんの間に入って、どうしていいのかこまっているデイジーさん……その思いが題名になっているのだね。エイミーさんにとっては、ぶつまねやキックのまねもいやだったけれど、何となく、自分とデイジーさんの間に、ラブさんが入りこんできたような気分になったのかもしれないな。エイミーさんの気持ちを思いやっているところに、デイジーさんのやさしさがよくあらわれているよ。エイミーさんの気持ちに気づいてあげられなかったことで、ちょっとむねがいたくなったかもね。
そのことを伝えたのに、ラブさんは悪いと思っていないような感じがしたのだね。ラブさんはどうしてあやまらなかったのだろう。どうしたら、また三人でいっしょに行けるようになるのだろうね。ラブさんは、「2たい1」になったという気がして、あやまりにくくなったのではないかなぁ。こんなふうに言ってみてはどうかな。
★私は前のように三人で行きたいし、エイミーさんも、ぶつまねはびっくりしたかもしれないけれど、三人で行きたいのではないかなぁ。
たしかに、題名のように「三人はむずかしい」けれど、「三人よれば文殊の知恵(もんじゅのちえ)」ということわざもある。タイプのちがう人がいっしょにいるからこそ、いいアイディアが生まれることもあるものね。
いつもの楽しい感じの作文ではないけれど、なかみのこいいい作文だ。こんなふうにこまったことがあるのは、人に「気持ちや心」があるからだね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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