国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   昔話の大切さ   ビーバー

 端的にいって、私たちは、お話を文学——文学のうちでも、文字によらず、声によって伝達される文学——と考えている。この文学的価値ということは、たいへんむつかしい問題で、論じだせばきりがないが、ここでは、ひとまず、文学的に価値のある作品とは、「私たちの心を楽しませ、人間についての私たちの理解を助けてくれるもの」と、表現しておこう。そして、この「心を楽しませる」ことの中には、内容だけでなく、その表現の形式からくる美しさが、私たちの心を楽しませることが含まれていることを、とくに指摘しておきたいと思う。(要約)
 僕にも似た話がある。僕は、昔読んでもらったかちかち山の話を思い出した。その話は、タヌキがおばあさんを殺し、一匹のウサギがおばあさんの敵を取りに行き、タヌキが次々におこる災難でまるで靴を煙突の中に落としたサンタクロースのように慌て、ウサギが見事敵をとる、という話だ。その時僕は、ウサギは愛嬌があるけれど、逆襲は激しいものなのだな、と思った。読んでもらった当時は自分の仲間が何かをやられたら敵を取って自分の仲間の役に立つことが「善」の行動なのだと思った。それを読むか読まないかで自分の後の運命が決まっていくのだろうと思う。
 もう一つ似た話がある。一番好きな昔話を弟に聞いて調べてみたら、弟は桃太郎が一番好きだと答えていた。そして、一番印象的な場面を聞いてみたら、桃太郎が桃の中から飛び出してくる場面だと答えていた。理由を聞いてみたら、その場面がおもしろいからだそうだ。どうやら鬼退治の場面はあまり好きではないらしいということが察せられる。このような調査結果から、昔話の読み聞かせをしてもらった人は、昔話が一生心の中に残っていくということが分かった。
 僕は、この話を読んで、筆者は、昔話の目的をとても正確にとらえていると思った。「一寸の虫にも五分の魂」という言葉に表されるように、昔話はとても短い話だけれども、実は人間の血や肉などになっていく、人間が生きる上でとても大切なものである。僕も、この筆者に見習って昔話を尊重したり、昔話をただの文学として見ないように努力したいと思う。(書き出しの結び)

   講評   iwa

ビーバーくん、こんにちは。自分と弟くんの体験談を書けたことで、文章がきりっとひきしまりましたね。ひとつのお話から受ける印象というのは、きっと十人十色だとは思うけれど、きっとそのお話を作った人には伝えたい「テーマ」が必ずあるのでしょうね。それは、昔話だけではなくすべてのお話について言えることかもしれませんね。
「昔話はとても短い話だけれども、実は人間の血や肉などになっていく」というビーバーくんの表現にハッとさせられました。本当にその通りですね。体を作る「栄養分」のひとつとして、きっと昔話は人間の心に宿っていくのでしょう。今だからこそ、昔話をゆっくり読んでみて、その話が言おうとしていることを考えるのもおもしろいかもしれないね。

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