創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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偶然からの発見《清書》 こと座
この話を読んで一番心に残ったことは、パストゥ−ルが、何週間も放ったままにしていた培養液を捨てずに、思い直してニワトリに注射した場面です。もし、私がパストゥ−ルだったら、実験の条件が変わってしまうので、きっともう一度最初から、やり直すだろうなあと思いました。それに、古い培養液を注射されたニワトリがコレラにかからなかったのをみた時も、私だったら、
「なあんだ。培養液を何週間も放っておいたから、コレラ菌が全めつしたんだな。」
で終わっていたと思います。この後、パストゥ−ルは、強力なコレラ菌をニワトリに注射して、前に古い培養液を注射したニワトリだけがコレラにかからなかったのを知るのですが、そのときのパストゥ−ルの気持ちは、まるできつねにつままれたようだったにちがいないと思いました。二重スパイという言葉の意味もはじめはよくわからなかったのですが
「敵にねがえったとみせて、スパイ活動をすることだよ。」
とお父さんが絵をかいて説明をしてくれました。
「めんえきの話は役者が多くてむずかしいのよ。読んでも読んでもすぐに忘れるわ。」
お母さんもそばで笑いながら聞いていました。
このエピソードを読んで、そういえばノーベル化学賞を受賞した田中さんにも似たような話があったことを思い出しました。お父さんから聞いた話によると、この田中さんも、実験中、金属の粉にうっかり油をこぼしてしまったことから、思いもかけず新しい発見につながったのだそうです。「失敗は成功のもと」という言葉をきいたことがありますが、本当にその通りだなと思いました。パストゥ−ルも田中さんも、なんどもなんどもなぞがわかるまで、あきらめずに実験を続けた努力があったから、幸運がやってきたのでしょう。長文にも書いてありましたが、長いあいだにやしなわれた直感と、知識があってこその大発見だと思います。
私も本をたくさん読んだり、いろいろな人の話を聞いて、たくさんのことを知ったり、発見したりしたいなと思いました。
講評 ao
こんにちは、こと座さん。
二重スパイの説明をうまく加えられています。お父さんの簡潔(簡単で的確)な説明がいいね。
田中さんのことはカットせずに詳しく書いたのですね。長くなりましたが、内容的にはよくなっています。うっかり金属の粉に油を落としたんですね。知りませんでした。田中さんも失敗のあと、ちゃんと調べてみたんでしょうね。パスツールの例とよく似ています。とてもいい“似た例”になっています。
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