国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マイストーリー   ピエッパ

 人間は何かを決断したり、結論を出す時に物語を作ってしまう。例えば、友達とけんかしたり、テスト本番で問題が解けない時、「これは神からの試練だ。これを乗り越えれば幸せが待っている」など考えたことがあるだろう。これは苦しみを肯定しようとするために作った物語なのである。しかし現代、このような物語が本来の自分が考えた物語なのかあいまいになってきている。周りがしたから自分もしたというような物語になってしまったのだ。そうなったのは何故だろうか。
 まず第一の原因として、現実に押し潰されて、本来の自分の考えが持ちにくくなっているからだと思う。例えば、将来の夢が弁護士だと、〇〇大学に行けばよいと教師に勧められたとする。しかし自分の学力では、〇〇大学に到底行くことができないと思う。結果「自分は弁護士には向いていない」という物語を作ってしまうのだ。
 次に、社会の中に情報が多すぎるからだと思う。情報が複雑化する中で、自分を決めていくのはますます難しくなっていくだろう。島の中では、象は普通より小さくなり、ねずみは普通より大きくなるという。それは、島という狭い空間において複雑な関係を持つと普段の姿通りにならなくなるからで、それは人間界でも同じなのである。(自然科学実例)
 確かに、自分で物語をつくっても現実を反れてしまうかもしれない。しかし
「自分の道は自分で作っていくものだ」(自作名言)
というように、周りに自分の物語を決められてはならない。やはり自分自身の物語で、自分の未来を切り開いていくべきだ。

   講評   huzi

 題名がいいですね。 「マイストーリー」。私たちは、なにかの決断をするとき、それまでの自分の経験の中からもっともふさわしいものを選択して、理由づけをします。 たとえば、歌手になろうと決めた人が、「幼稚園のとき舞台の上で歌ったら、お客さんから歓声を浴びた」という経験をストーリー化するように。音楽の成績が悪かったとしても、そのことは物語の中には入れられません(笑)。
 しかし、その物語が本当に自分オリジナルのものであるか。 実は周囲の影響を受けて作られた偽ストーリーをオリジナルだと信じていることに問題意識を設定していますね。 この部分はうまく流れを作ることができました。
 【原因】1。 オリジナルのストーリーがいつしか、現実の中で与えられた尺度で変えられることはよくあることですね。大人になればなるほど、自分の考え方の中にも、自分の物語を数値化することで可能性を考える思考が育ってきてしまいます。 
 【原因】2。せまく複雑な社会の中では、人間は周囲との関係にとらわれ、自分を規定してしまいがちです。 ピエッパくんも、もっと幼いころは、複雑さを理解しないがゆえに、自由自在の物語を持つことができたでしょう。大人になると、【自然科学実例】にある象とネズミのように、周囲と比べることで自分の「理由」を考えてしまうようになるのね。 よく言えば、協調なのですが。
 【自作名言】、今回はもう一ひねり。
「そもそも自分の道など存在しない。これから自分で作っていくものなのだ」
このように、前半に「……ない」を使ってみると、印象的な名言にできます。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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