創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   雑草と土いっぱいの道   キティ

雑草と土いっぱいの道

 石を一つ拾って来た。平べったい薄茶色の石で、手のひらに軽く乗る大きさである。その人は、道で拾いましたと言った。どんな道だろう。ゆたかな気持ちで、ものみなすべてにいとしみを感じながら歩く土の道にちがいない。無味乾燥な車が通るだけのための道にはこんな石はないのだ。もちろん舗装された道も場合によっては大切である。しかし道が一番道らしいのは、人間のくらしをあたたかに支え、いろいろなものを発見することのできるふみしめられた道である。この事だけは忘れてはならないのだ。(要約)

 私の家の前に大きな道路がある。三年前の夏、この道路のアスファルトが新しく舗装されることになった。ある蒸し暑い日、工事が始まった。大きなトラックやジャベルカーが何台もやって来た。朝から晩までドドドドド、ギシギシギシ、ガジャンという音が近所中に聞こえた。何週間かが経ち、やっと古いアスファルトが取り除かれ、新しい方が詰められた。この作業を見たお隣りさんは、自分の車庫前のスペースもついでにアスファルトにしてもらった。なかなかりっぱで、車庫入れも簡単そうだった。私達の家の前も普通の土だったので、お父さんも工事現場で働いている人に頼んでみた。しかしアスファルトを舗装するための機械はもう使われていなかった。結局今日まで家の前はそのままだ。私はとても残念だと思った。私の兄弟は、スケードボードや自転車で走ることが大好きだ。特にスケードボードはアスファルトがないとあまりうまくできないスポーツだ。車が通る道で走るとやはり危ないので、家のまえにアスファルトができるのを楽しみにしていたのだ。本当に残念だった。

 しかし三年経った今、私はアスファルトにしないで良かったと思っている。もしあの時、機械がまだ使われていて、アスファルトにしていたらどうなっていただろう。確かに車の車庫入れは便利になっていて、スケードボードも家の前で練習することができただろう。しかしかけがえのない自然を一つ失ったことになる。人間は信じられない程の勢いで自然を壊している。アスファルトにしなかったおかげでまた一つ、小さいが自然を守れたのだ。今はまだ所々雑草などが生えている庭でいて欲しい。土を掘りながらミミズを捕まえたり、雨の日などは思いっきりどろんこになりたい。車の車庫入れだって少し不便でも、長い間やっていれば慣れてくるものだ。お隣りさんをうらやましがりながら、車庫に入れれば良いのだ。

 私が一番落ち着く時、それはゆったりと自然の中でボーっとしている時だ。ゆっくりと雑草が生えている、土の道を歩きながら歌を歌う。きっとだれだって落ち着くであろう。自然は人間にとっての故郷なのだから、無意識に道などを変えてはいけないのだ。それにアスファルトにしていたら、夏に芝刈りをしにやって来るおじさんの楽しみも奪っていただろう。今年の夏は汗と草まみれになって、芝刈りを楽しんでみようかな。

   講評   yuu



 ほのぼのとした空気の漂う作文になりましたね。読後に爽やかな気分にさせてくれるすてきな作品だと思います。
 マリアちゃんがアスファルトの車庫に憧れた気持ちもよく分かります。それは私たちが人間である証拠かな、とも思います。もし自然の中で土の中の虫を食べたり、植物と共存している動物ならば、アスファルトが良いなんて絶対に思うこともなかったのでしょうね。自然を守るということは、自分たちの生命を存続させるために当たり前のことなのですから。けれども、人間たちは自分たちの存在を前提に、便利さや快適さを求めてしまうんだね。
 最後の段落では情感豊かなまとめができましたね。マリアちゃんの文章を読んでいると、私たち人間も自然の仲間なんだな、と改めて気づきます。
 
 昔は、道路もバス停も駅のホームも完全なコンクリートではありませんでした。駅のホームなどにタンポポが咲いていたりすると自然界の生命の力を感じました。今は、コンクリートで固められた駅のホームに整ったプランタや植木鉢が置かれていたりします。そこに咲いている草花を見て少しでも和やか(なごやか)な気分になれるように、と駅員さんが用意してくれているのです。
 自然を守りながら文明を発展させていくのは大変なことなのかもしれませんね。これからは、自然を守るための努力に化学文明を有効的に活用していかなければいけないね。

          

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