創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間的なコミュニケーション   はなこ

 今、日本の都会では、路上でものを売る人を見かけることがほとんどない。たまにあっても、ヒッピーのアクセサリーとかワゴン・セールとか、朝市とか、いかにも特別な売り方で、ただなんとなく道端に立ったりしゃがみこんだりして客を待つという売り手がいなくなった。順序から言うならば、常設の店ができる前は商売はみんな路上で行われていた。道は人や馬の行き来のためだけにあるのではなく、立ち話やものの売買や時には喧嘩のための公共スペースだった。家の裏の小さな畑で出来た豆や芋を町まで運んでいって道端で売る。売れたら、そのお金で、家では作れない野菜や道具類や贅沢品を買って帰る。商売はこうして始まったのだ。僕は、人間的なコミュニケーションを大切にして生きていきたい。
 そのための第一の方法は、社会自体も機械に頼らずに、人間同士のふれあいを重視していくことだ。最近では、物を作るにしても、掃除をするにしてもほとんどを機械がこなしている。そのためか、近所との付き合いなどがほとんどなくなってしまっている。しかも、人間に対して悪影響を与える機械も多々ある。そして、子供が外で遊ぶということもほとんどなくなってしまった。僕は昔近くの友達とよく外で遊んだ。そうすると、友達とたくさん話すことも出来るし、ストレスもたまらないので、とても楽しかった。〈体験〉
 第二の方法は、人とのふれあいを大切にしていくことだ。ナポレオンは、弟子に命令するだけでなく、自分も軍隊の先頭にたって戦闘中に直接指示を出していたらしい。(伝記)サッカーのイングランド代表デビット・ベッカムはワールドカップのブラジル戦でミスをしてしまったゴールキーパーのシーマンに試合後すぐに立ち寄り励ましていた。これにより、当時38歳で引退も考えていたのだが、そのまま現役を続けた。もしもこのとき励まさずに、ミスのことを責めたりしていたらたぶんショックで現役を引退していたと思う。イングランド国内でもとても人気のある選手であったのでベッカムの一言でたくさんのひとを喜ばせ、助けたことになったと思う。
 確かに大量生産や大量販売は、豊かな社会を生み出した。しかし「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。」という名言があるように、機械にばかり頼っていると自分ではなにも出来ない人間になってしまうので人間的なコミュニケーションというものが一番大切だと思う。

   講評   nara

日本製品はなぜ高いか? もちろん、質のよさなども理由の一つだけれど、土地と人件費が高いということも、大きな理由だね。同じ1個のものを売るのであれば、人件費を抑えた方が収入が上がると考えるのが、いわば「合理的判断」となる。しかし、本当にそうだろうか? ここがこの長文が提起していることなのだね。これは、3月2週の課題にも絡めて考えることができそうだ。
 今回は、第1理由と第2理由の違いが、もう一つはっきり打ち出せなかったね。「人間同士のふれあいを重視していくこと」「人とのふれあいを大切にしていくこと」と並べて読んでみると、ほぼ同義ではないだろうか。例えば、社会のシステムとして何か考え直せる部分がないか考えてみてはどうだろう。フリーマーケットは、各地で開かれているけれど、そのバックアップはできないか。路上販売のスペースを確保して、地域社会がバザールを盛り上げることはできないか。中小企業をサポートして、コミュニケーションの場を継続させる必要があるのではないか。こんなことを組み入れてみてはどうだろう。
 まとめに使った名言はぴったりだ。長文の最後に書かれている「それはみんなが煙草代に困っていない国から来た者の、浅ましい考えだった。」という部分は、この名言に重なる。長文筆者は、日本の金銭的・物質的な豊かさにどっぷりつかっていたことを、この場面で気づいたのだね。私たち一人一人も「生きたとおりに考えていないか」と気づかされるような場を見つける努力が必要なのだろうなぁ。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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