創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
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小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
学校への長い道 オーロラ
「おはよう。」
わたしは、しーちゃんに気づいて、手をふりました。
「おっはよーう。」
と、しーちゃんも、元気に手をふって答えました。わたしたちの、朝はこんなふうにはじまります。わたしは、一年生からしおりちゃんといっしょに、バスで学校に通っています。三月までは二人でした。でも四月になってから、新しいなかまができました。
「おはようございます。」
わたしは、みきちゃんのお母さんにあいさつをしました。みきちゃんは入学したてのほやほやの一年生です。まだお母さんといっしょにバスにのって学校までおくってもらっています。わたしのバレエ教室の友だちなのでいっしょに行くことになったのです。
バスが来ました。わたし、しーちゃん、みきちゃん、みきちゃんのお母さんのじゅんばんでバスにのりこみました。バスには、わたしとしおりちゃんが二人ですわるせきにすわり、はんたいがわの二人せきに、みきちゃんとみきちゃんのお母さんがすわりました。
(こういうふうにすわるしかないよなあ。)
と、わたしは心の中で思いました。なぜそんなことを考えたかというと、みきちゃんの目が気になったからです。でも、みきちゃんのことを気にしていると、今度はしーちゃんがやきもちをやいてしまうようなのです。はじめにそれに気づいたのは、入学式の帰りでした。みきちゃんとわたしがなかよくしていると、しーちゃんが、だまってこっちをむいていやな顔をしていたのです。けっきょくその日、しーちゃんはバスからおりて、わたしのほうをふりむかないで帰っていってしまいました。いつもは、見えなくなるまで手をふるほどなのに……。
そのつぎの日は、みきちゃんがいっしょのバスではなかったので、いつものように二人でなかよくしゃべりながら行きました。わたしは、しーちゃんがふつうのようすだったのでほっとしました。
そのまたつぎの日の朝、みきちゃんがいっしょでした。わたしは、
(やばい。またしーちゃんが……)
と思ってしまいましたが、こんどは、しーちゃんとわたしがとなりにすわって、みきちゃんたちはうしろのせきにすわったので、しぜんと、わたしとしーちゃんばかりが話すことになり、みきちゃんがものすごくやきもちをやいているのがわかったのです。わたしは、こんどはみきちゃんがとてもかわいそうに思えてきました。でも、わたしは本当はしーちゃんととなりになって話す方が楽しいのです。みきちゃんは、やはりまだ小さい子というかんじで、わたしたちがおせわをするみたいになってしまいます。だからといって、妹みたいにわたしをしたってくれるかわいいみきちゃんに、いやな思いをさせたくはありません。わたしは、どうしようと思いながら、どうにもできないでいました。
わたしはまだなやんでいます。でも、お母さんが
「もう少しすればしーちゃんとみきちゃんがなかよくなって、三人でおしゃべりできるんじゃない?」
と言ってくれました。もしそうなってくれたらわたしは本当に安心します。二人ともやさしいから、きっとそうなれるなと思いました。そう考えるとわたしはちょっとうれしくなってきました。明日も元気に学校にいくぞお!
講評 nara
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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