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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   軽薄短小に流されないために   ルフィ

 最近、私達がクラシックに触れる場といえば、せいぜいコマーシャル内のいいとこ取りした15秒程の音楽であろう。しかし、クラシックというものは、本来一曲を全て通して聞いて完結するものであった。それが、軽薄短小の波に飲み込まれ、今のような姿になってしまった。これは、何も音楽に限ったことではない。現在、私達は、安易に軽薄短小に流されないようにするべきだと思う。
 そのための方法としてまず、物事の原点に目を向けるという方法がある。私の好きな作家の一人に村上春樹という人がいる。彼は「風の歌を聴け」で文学界にデビューし、都会に住む若者の心を描き出す作家として一躍有名になった。著書として、「羊をめぐる冒険」や「ねじまき鳥クロニクル」がある。・・・といきなり何を書き出すのかと思われたかもしれないが、もしあなたがこれを読んだだけで村上春樹という人についてあるていど理解した、と思われたのならば、そこに落とし穴がある。こういった、彼の軌跡を軽くなぞるだけでは、彼について理解できたとは全く言えないのだ。例えば、ここで「では、彼の作品についてあなたの感想を述べてください」といわれても答えられないであろう。彼の著作を読む・・・つまり先ほどの略歴の原点に戻ることなしには物事の本質というものは見られないのだ。
 また、先の「軽薄短小に流されないようにするべき」といった意見の解決法に対し別の方法を挙げるのならば、現在の学校教育においてもっとじっくりと考えさせることが必要だ。近年、東京都立高校では事項作成問題というものが流行している。そして、それは長考の重要さが見直されてきた一つの契機だと私は推測している。というのも、例えば数学などにおいてやたらと途中式を書かせるように、考えの過程を示すものが多くなっているからだ。私も、受験勉強中よく問いていたのだが、途中で何度も頭の回路が溶解したのを感じた(笑)と、冗談めかして書いたが、実はこのように今の子供達はそれほどまでにじっくりと考える機会が少なくなっているのだ。そういった点において考えれば、私はこの事項作成問題といったシステムには賛成である。
 もちろん短い時間でまとめるといった能力も大切である。一つのCMでベートーベンの交響曲がずっと流れていたらそれは悲惨であろう(笑)しかしながら、例えば勉強といった点においては考えることの方がはるかに重要である。「勉強とは、それをすることが目的なのではない。その理論を用いて目的を達成するための手段なのだ。」などという言葉が作れるほどに。目的、という言葉で思い出したのだが、そもそも人生の目的とはなんだろうか。私は、それを見つけることが人生の目的だと思っている。そのためには、軽薄短小に流されている暇などない。朱に交わっても、白でいられるような、そんな重厚長大な志しを、私は持ちたい。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。すべてコマーシャルのせいだとは思わないけれど(笑)世の中「つかみはOK」という感じで一瞬でその場をわかったつもりになることが流行してるね。マンザイやギャグも、まさに一瞬芸でなんとなくおかしいものはおかしいということで笑ってる。古典落語や名人コンビの計算されたかけあい漫才が面白いと思ういにしえのファンにはどうも理解できない。
 読書人口は多いらしいね。本は数限りなく出版されていますが、ひとりの作家のすべての著作を読みつくすような読者はあまりいないのかもしれない。ベストセラーに「あらすじで読む日本の名作」なんていうのがあるのだから、推して知るべし。みなさん忙しいのかなあ。または、魅力ある文章に出会えないという悲劇かなあ。
 「事項作成問題」という言葉、はじめて聞いたのですが数学で泣いた私のような生徒に光がさしそうな感じでしょうか。考えることをこそ評価してほしいなあ。(下手の考え休むに似たりとも言いますけど)
 勉強の本当の楽しさがわかったのが、私は大学でした。しかしまだ学問のための学問であって、目的にまで達せなかったと思います。じっくりまだまだ考えていきたいところです。
        

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