国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   手抜き文化   こめ

 クラシック音楽への道はつけられる時代になった。クラシック音楽は難しいと言う人が今でもいる。能動的に読み取り、自身の内部で構成する聴取者にこそ、啓示はもたらされるのだ。しかし、コマーシャルの十五秒のクラシック音楽は、その入口でさえないのではないか。カタログは、憧憬の対象そのものになろうとしているのだから。コマーシャルのクラシック音楽が効果を上げたのは、十五秒ぽっきりという聴き方が心の間隙をついた、という一面があったのではないだろうか。
 私は、クラシック音楽は、曲の全てを聴いてこそ本当に曲を理解したものだと思う。なぜなら、『春(ヴィヴァルディ作曲・「和声と創意の試み」 第一集 「四季」から)』のように、途中から曲想が変わる曲が多数存在するからだ。だが、CMとかチャイム等に使われているこの『春』という曲は、一番初めの数小節だけで、他の部分は省略されている。他のクラシック曲も同じことが言えて、某番組の優勝者が決まったときに流れる『ボレロ』という曲もたいていは最後の部分しか耳にしない。今の世の中は、他の物事でも、何もかも短く済ませている。このような文化は不完全なものだと思う。だから、短縮や省略をしたような文化に流されないようにするべきだ。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、何でも短く済ませようとしないことである。私は、昔に勉強を短く済ませようとして手抜き気味な学習をしたら、テストの合計点数が数十点も下がってしまったということがある(笑)。今はもちろん手抜き勉強はしてないが(笑)、やはり短縮や省略はしてはいけないと感じた。ニュースを見ていると、よく新幹線の高架やトンネルからコンクリートの破片が落下したということを耳にする。これは、コンクリートの材料を安価なものにしたという手抜き工事が原因と思われる。手抜きをすると後で大失敗を招くのだ。
 第二の方法としては、何事もじっくりと考えてみることである。じっくり考えなくては、物事がまとまらない。総合学習でレポートを書くとき、何も考えずに書いたらどうなるだろう。おそらく資料をまる写ししたレポートとは言えない紙切れ(笑)になるだろう。じっくり考えれば、自分の考えや感想を入れて充実したレポートに仕上がる。アメリカのブッシュもおそらく、じっくりと考えてからイラクを攻撃したのではなく、あまり考えずに攻撃をしたのに違いない。じっくりと考えることは正しい道を考えることなのだ。
 確かに、物事を短く済ませた方が時間を有効利用できるかもしれない。しかし、省略や短縮をして物事を済ませることは、便利ではなく、時間を有効利用できることでもなく、ただ手抜きをしているだけである。CMのクラシック音楽のように、不完全なものはやがて大失敗を招くことになる。だから、短縮や省略をしたような不完全文化に流されないようにするべきだと思う。

   講評   kamono

クラシック音楽を愛する人にとっては、何十秒かを切り取り、それで分かったように思われることは、耐えられないことでしょうね。そこから、軽薄な風潮を指摘する良い意見文が書けました。ヴィヴァルディの四季やボレロを例にあげて、何もかも短く済ませ、短縮や省略をしたような文化に流されないようすべきだと、まず意見を言いました。
そうならないために、の理由もうまく展開しています。手抜き気味の学習という体験実例も、うまくはまっています。新幹線のコンクリート落下という社会実例もいいですね。
第二の、じっくりと考えないでレポートを書く軽薄も、いいです。ただ、「アメリカのブッシュもおそらく、じっくりと考えてからイラクを攻撃したのではなく……」以下、「あまり考えずに攻撃をした」と決めるのは、少々、危険です。そう決めるには、まだデータが不足しているからです。こういう事例を持ってくるときは「(攻撃した)のではないか」と、のではないか、を付けておくほうがいいと思います。
結びは、とてもよく決まりました。物事を短く済ませた方が時間を有効利用できるかもしれないが、ただ手抜きをしているだけの不完全なものなら、やがて大失敗を招く、不完全な文化に流されないように、はその通りですね。

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