低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日44 今日1784 合計1828
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   オノマトペ   シュシュ

 日本語には、擬声語擬態語がきわめて多い。感覚的にわかるこれらの言葉の意味を説明するとなると、行きづまってしまう。もし言語がこの世界の全てを表現し尽くせるものなら、言葉さえあれば、何もかも理解できてしまうだろう。そうはいかないから、言葉では言い表せない別の表現、絵画や音楽を、人間は考え出してきたのだ。私はオノマトペを言語と音楽との接点として考える。それは人間の感覚を音声そのものによって表現しようとする伝達の手段だからだ。
 私達日本人は無意識のうちに会話の中で「ゆらゆら」「さらさら」などの擬音語、擬態語を使っている。この日本語特有な豊かな表現を私はもっと大切にしてゆきたいと思う。
 そのためには、まずたくさん読書をし様々なオノマトペを感じることだ。(方法)例えば、宮沢賢治のかいた小説にはたくさんの擬音語や擬態語が使われている。「風の又三郎」の有名な一説をきいたことがあるだろうか。普通の人ではなかなか考えつかないような変わった表現が用いられている。「どっどど どどうど どどうど どどう、 青いくるみも吹き飛ばせ すっぱいかりんもふきとばせ どっどど どどうど どどうど どどう」がそれだ。宮沢賢治は小学生の頃綴り方が得意で、他にも昆虫の標本を作ったりしていたそうだ。きっと自然がいっぱい溢れる中で育ったのだろう。その雄大な自然を肌で感じ、自分なりに表現するということを無意識の中でやっていたのではないだろうか。だから大人になってからかいた小説に、聞きなれないのにしっくりくる擬音語や擬態語が多く使われていたのではないかと思う。もちろん現代の本にも、オノマトペはたくさん使用されている。特に私が思うのは、江國香織さんの小説だ。彼女のつくる表現には宮沢賢治のオノマトペに通じるものが少しある気がする。また、小説だけでなく詩にも直接的な表現はたくさん用いられている。私の好きな詩の一つに「キラキラヒカル」があるのだが、題名からもわかるようにこの詩の軸となっているのは擬態語の「キラキラヒカル」だと思う。他人が書いた文章を読むことによって、自分の思ってもいなかった擬音語、擬態語に気付かされることがあるのだ。
 他にも、感受性を豊かにすることが大切だ。雑音だらけの都会にいつもいると、なかなか周りの音に耳をすますということがないが、旅行で山の中などにいったときにふと耳をすませると静かな中でも鳥や虫などの色々な音をきくことができる。静かな自然の中では、無意識のうちに五感が研ぎ澄まされるものだ。街の中にいるときでも、そのように敏感な状態でいることができたら、心がもっと豊かになるのではないだろうか。冷淡な気持ちと、何かを感じ取ろうと意識する積極的な気持ちとでは、同じものを見ても、思うことは全く違う。もちろん後者の方が深いものを得ることができるだろう。そして、その得たものを自分の口からしゃべることを続けていればだんだんと普段から豊かな表現を使えるようになるのでないかと思う。
 確かに、的確に事実を伝えることができる抽象的な言語も大切だ。しかし、オノマトペなどの豊かな表現をもっと使ってゆきたいと私は思う。「全てに効くという薬は、何にも、たいして効かない」という名言があるように、万人共通ではないけれど深みと味のある豊かな表現の長所を見直した方が良いのではないだろうか。

   講評   miri


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)