国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   時間の流れ   はるる

 現代社会において時間とは時計に表されるものだとされている。朝起きる時間も、家を出る時間も絶えず時計の針を気にして行われている。そしていつのまにか時計は私たちの生活になくてはならないものとなった。時間が数字化されると人間は時間を有益に使うことを重要視するようになった。休憩するのにも時間をちゃんと定めて、少しでも無駄がないように努力をする現代人。果たしてそこに本当のゆとりは存在するのだろうか。私は現代社会における時間のあり方に問題があると思う。
 そうなってしまった原因の一つは、時間を一つの基準に一本化したことだ。人によって同じ物事を体験しても感じる時間の感覚がそれぞれ違う。それなのに、時計は誰にでも同じように時間の区切りをつけさせる。例えば学校の授業を例に挙げると、生徒には共通の時間割がある。それはもちろん時計の時間を基準にして決められている。一限目が世界史の授業だとすると、みんなは世界史の授業の準備をしなくてはならない。そしてみんな同時に授業を受ける。その中で当然世界史を好きな人と嫌いな人が存在する。この両人が感じる時間は全く違うものになるのではないだろうか。好きな人にはその時間は短すぎ、嫌いな人には多すぎる。それにもかかわらず両人は前もって決められた時間の枠にはめられなくてはならない。(体験)これは決して良い成果を生み出さない。
 第二の原因は経済の飛躍的な上昇である。日本も昔はそれはそれはゆったりとした時間を持っていた。今でも田舎の方へ行くとそうかもしれないが、そこではわりと個人の時間感覚を排除しようとする動きはない。なぜならば、そこには主に自然とのつきあいがあるからだ。自然は本当にゆっくりと、たおやかな時間の流れを持っている。それとつきあうにはそれ相応の自己が必要なのだ。その時間の流れも、経済が発展していくうちに希薄になってきてしまった。
 確かにそれなりの利益をあげるためには時間をできるだけ無駄なく有益に使う必要がある。しかし、そのことばかりに囚われて自分の首を絞めてはいないだろうか。現代の日本は物資的には豊かであるが、人間的には欠けている部分が多々あると思う。人間は心に自分の時間を持っていないと知らないうちに本質を見失っていることがあるのだ。(自作名言)一度時計を持たないで、ぶらりと外に出てみてはいかがだろうか。

   講評   sugi

 おめでとう! 進級テストは文句なしの合格です。提出も早かった!!
 社会問題の主題は比較的簡単だったけれど、その原因を探るのに苦労しそうな話だったね。しかし、はるるさんの考えた原因はなかなか面白かったですよ。私たちは、時間というものは万人にとって同じように存在するものだと思い込んでいるけれど、それすら怪しいという考え方は興味深いね。もちろん、時計の進み方は誰にとっても同じなのだけれど、同じものごとを達成するのにかかる時間はまったく違う。人による時間感覚の違いを理解することによって、新たな時間の価値を見出せるかもしれないね。
 二つ目の「経済の発展と時間の流れ」については、やや飛躍があるような気がするので、もう少し説明を補ってみるといいよ。難しいけれど、じっくりと考えてみよう。

 自作名言、毎回楽しみにしています。今回もすばらしい! はるるさんも、きっとこれを考えるのが楽しみなのでしょう。そのうち自作名言集が作れそうだね。

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