創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   集団   ルフィ

 集団を完成させるためには、犠牲者と、裏切り者が必要である。例えばキリスト教では、その裏切り者はユダであったし、またそのユダは内部から出てきたのであった。そして、このように集団が自己完結を目指しているのは、同時に集団が衰弱し始めて、活路をそこに見出そうとしている証拠でもあるように思える。そこで私は、自らが属す集団の内部に裏切り者を生み出さないよう・・・つまり集団の衰弱を防ぎ、敵を作らないために、自己を高めるべきだと思う。
 そのための一つの方法として、うまくいかないことを他人のせいにしないこと、というものが挙げられる。これは、つまり集団内での不和を防ぐという目的を含む。少し、私の体験したことを記そう。私は、中学校にいたときバスケ部の主将を務めていた。そこには、少しナルシストなチームメイトがいた。パスミスを繰り返しては「キャッチが悪い」といい、シュートを落とすたびに首をひねりながらとろとろ練習する・・・。他の部員達は、「自惚れるな!」と怒ったり陰口をたたいていたりした。しかし今私はふと思う。この状況というのは先にあげた集団の衰弱化したときにおこるものとほとんど同じなのではないか、と。実際にそのとき私達のチームは顧問が変わったときであり、新任の指導者にやる気が感じられなかったために(前任の先生は熱血漢だった)チームとして崩壊寸前であったように思える。そのような状況で敵を生み出してしまったというのは、私たち個々のスキルが足りなかったためではないか、と悔やんでしまう。
 そんな状況下で、私が取れた行動というものが、ここにて二つ目の方法としてあがってくる。それは、内部での情報を、オープンにすることである。先の例でも、嫌われていた彼にそのことを伝えればもしかしたら直そうとしたかもしれないし、また、クラスや学年のみんなに私達がそういった彼の部活中の姿を話せば、噂を聞きつけてその癖(?)を改善しようとした可能性だってあるのだ。どちらにしても本人が傷つく恐れがあるのであまり言い方法ではないのかもしれないが(笑)とにかく、私が言いたいのは情報のやり取りについて隠蔽があってはならないということだ。少々話題が飛ぶが、まだ記憶に新しいオウム真理教の犯罪も、このような秘密主義だったために無差別殺人、などといった凶行に及んだのではないかとも、私は思っている。
 確かに、敵は外部にのみいる、ともいえるかもしれない。しかし、「盲点の恐ろしいことは、その存在ではなくそれに気づかないところにある」ように、私達は、内部に敵ができるその可能性にただ気づいていないだけかもしれない。そもそも、集団というもの自体が、私達個人を束縛する呪をかけているように思える。団体行動なんだから・・・。そんなことしたら和が乱れるだろ・・・。そういった数々の道徳的概念に制約され、フラストレーションがたまり結果その規律に背きたくなるというのは自明の理であるように思える。そんなに大変ならいっそ集団行動をなくせばいいじゃないか!などという安易な考え方に走る人は、まずいないだろうと思うが、だからこそ、一人一人が自己を高め、集団行動にかかった呪に耐え、それを打ち破るほどの力をつけるべきではないか、と私は思うのである。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。「集団行動にかかった呪」という表現には感銘しました。ひとりひとりが目覚めていなければ危険ですね。
 今まさに、一国の首相が歴史の中で人質となってしまった人たちを救うために北進するというニュースが・・・。賛否両論うずまいています。救うべき人はその人たちだけではないということを全うしてほしい気持ちです。が、今ここで気になるのは、選挙前に○○の未納などで総崩れになりそうな危機を、北○○と一騎打ちする姿で煙に巻こうとしてるのではないかという疑いです。首相にその気がなくとも、受け取る側の国民は充分にそのように反応するだろうと思うのです。
 社会が複雑になるにつれ、心が病んでさまざまな依存症にかかる人が多いといいます。この罹患者が「犠牲者」だとすれば、ちょうど「裏切り者」の存在として「共依存症」の患者がいるといいます。原因は異なっても、うまくいかない理由を自分の他に求めると言う点は共通してると思いませんか? 家族と言う集団の呪にかかっている。
 この問題をあまりにつきつめると、孤独に生きなければならないかのように思えてきます。そうではない。しかし孤独に耐える強さを持たない限り、その集団はもたれあいの集団でしかないのですね。
    

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