創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   欲望の大切さ   シュシュ

 「ウォント」は、自分の内部から出てくる必要性であり、現在と未来に時間軸をとった上の必要性を意味している。色々な情報からニーズを割り出して進路を決める人が非常に多いが、そのような人はニーズから割り出したものが、ウォントに切り替わらないかぎり、どこかで挫折するのではないかと思う。ものを創る過程には、総じて飛躍というものが必要である。飛躍の原動力はウォントだと私は考えるのだ。
 「欲しい」と思う気持ちは生きていく上で意外と大切なことだ。「欲望」という言葉のイメージはあまり良いものではないかもしれない。しかし、同時にこの言葉には熱い情熱の意味も含まれているはずだ。過去の偉人達も皆、初めは欲しいと思うこと、渇望することによって大きなことを成し遂げた。現代社会では、もっと効率的な「ニーズ」の方が重視されているようだが、私はこの「ウォント」を大切にして生きていきたいと思う。
 その第一の方法は、どんなときでも自分を向上させることを意識して生きていくことだ。日常生活の中の行動でも、「これをすれば自分が成長する」と思い込んで生きていけば、おのずと志が高くなる。朝、ニュースを見るときにもただ聞き流すだけでなく、見たものを吸収しようと頭のアンテナをはって見てみれば、政治に新しい興味がわくかもしれないし、自分の考えも深まるだろう。同じことをするのにも、ぼーっとしながらするのとやる気をもってするのでは全然違ってくる。すると生活に活気と張りがでてきて、自分の考えがはっきりし、本当に好きなこと、やりたいことがわかってくるはずだ。
 また、社会の固定観念、つまり世間体のようなものを気にしないことも大切だ。良い大学に入って良い会社に就職して・・・という流れが一般の考えだが、それには個々のやりたいこと、「ウォント」が無視されている。最近は就職難で、良い大学=良い就職という方程式が成り立ちにくくなっているが、世間の考えはまだまだこれに固定されているだろう。一般の人と違う方法で自分のやりたいことに向かって努力しているときの状態は、周囲に理解されにくいのだ。だからこそ、自分の本当の「ウォント」を強くもって生きていかなければならない。
 確かに、しなければならないこと、「ニーズ」を無視しては生きていけない。しかし、若者の無気力がちらほら問題になった今こそ、もう一度「ウォント」の大切さを見直さなければならないと思う。「知識がはしごを作ったのではなく、二階に上がりたいという熱意がはしごを作ったのだ」という名言のように、新しいことをやろうと思ったときに必要なのは、心から欲しいと思う情熱である。そして、やりたいことがあるからこそ、人生を楽しむことができるのだ。

   講評   miri

<第1段落>数学者の広中先生の文だけあって、理路整然とした長文ですね。多少難解そうですが、よく要約できましたね。続いて意見をいれることもできました。
<第2段落>方法のひとつめです。どんなときでも自分を向上させることを意識して生きていくという方法。自分がこうなりたいと思うこと、すなわちウォントとなるわけですね。「これをすれば自分が成長する」と思い込んで生きていけば、おのずと志が高くなる、ここがたいへんよいです。
<第3段落>ふたつめは、社会の固定観念、つまり世間体のようなものを気にしないという方法。ひとつめの方法ともからめて、よく書けています。
<第4段落>結びの文には、反対意見への理解に続きぴったりな名言が入り、「情熱」のような効果的な言葉を用いて、強い主張をもって締めくくることができました。みごとです。



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