国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   「ニーズ」と「ウォント」   FULLMOON

「ニーズ」という言葉は、空間的にいえば、外部の状況を判断して、割り出した必要性である。これに対して「ウォント」は、自分の内部から出てくる必要性である。すなわち、欲望とか欠乏を内包した「必要」がウォントの由来なのだ。創造しようとするものが、過去に類を見ない新しいものであればあるほど、なおさら、飛躍することが大事になってくる。そして飛躍するには、内なる欲望の力を借りなければならないのである。飛躍の原動力はニーズではなく、ウォントだと私は考えるのだ。「義務」や「必要」ではなく「意欲」だの「欲望」が動機である生き方してはどうだろうか。
 そのための第一の方法は、目標を明確にして、実現するような強い信念を持つことと思う。「何かになりたい」「何かをやり遂げたい」という「ウォント」に対してどれだけの努力を注ぐことができたかが重要なのだと思う。私の学校は合唱が盛んなことで有名で、毎年NHKのコンクールや合唱連盟のコンクールで優秀な成績を収めている。しかしあのステージで歌っているメンバーは部活メンバーではない。私の学校には合唱部は無く、あの照明を浴びているのは、コンクールのために選抜されたメンバーなのだ。
 彼らは学校の伝統である合唱を2年間頑張った上で、更なる飛躍を「ウォント」した者たちの集まりなのである。あの団体は、2年生の終わりごろに募集がかかり、オーディションを実施してメンバーを選出するのである。そしてなぜか部活より厳しい毎日の練習をこなし、ステージに立っているのである。だからこそ私たち一般生徒は彼らの頑張りを知っている。だからこそ優秀な成績を収めたことを心から祝福できるし、彼ら自身も達成感がある。この活動がもし「ニーズ」だったら最後までやりきれないだろうし、周りも「頑張ってるんだってな」と他人事に見ることしかできなくなる。ちなみに私は、せっかくこのメンバーの顧問に参加しないかと誘われたが、きっぱりと「NO」と断った(笑)。
 第二の方法は、社会における当たり前という固定概念を取り払うことである。最近、高校進学についての指導が始まったが、先生が誰もが言うことが「やりたいことのための進路」のような内容の話である。大学までエスカレーターであがれる私立高に行くことがすべてではないとよく言われる。部活の強いところに行きたい、工業系、商業系に行って専門知識を学びたいなど、自分のやりたいことが、イコール有名校へ進学することは、つながらないことが多い。多額のお金を払えばいい人間になって、自分が「ウォント」する学びができるとは限らない。
 確かに、その場で必要と考えることを熟考することも大切である。しかし王貞治は「練習、練習、それ以外に道なし」という名言を述べている。自分が「ウォント」したものを一生懸命追いかける生き方を求めたほうが、充実感を得られるのではないだろうか。

   講評   kamono

自分の内なる熱い動機、内なる欲望から生れるもの、これこそが人間にとって大切なものなのだね。合唱をやる仲間の実例は、説得力を感じさせます。そういうふうにして、合唱メンバーを募って、練習をするということは、初めて知りました。
<私の学校には……>以下、<……この活動がもし「ニーズ」だったら最後までやりきれないだろうし、周りも「頑張ってるんだってな」と他人事に見ることしかできなくなる>まで、このテーマにぴったりの体験例でした。顧問? NOは、わたくしも笑いました。でも、ゼネラルマネジャーってのは、案外、縁の下の力持ちで、必要なんだけど、まだまだ、なんでも、自分でやるんだ、そっちの方が、そういう気持ちが大事だよね。
 結び、自分が「ウォント」したものを一生懸命追いかける生き方を求めたほうが、充実感を得られる、その通りだね。村上君は、どういう夢を持っているのだろうね。
 読み返しはしているのだろうけれど、<欲望が動機である生き方しては→生き方をしては><イコール有名校へ進学することは→進学することには>。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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