創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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幻の話し上手 キティ
幻の話し上手
話し上手の人がいる。しかし、その人をおしゃべりとは呼ばないだろう。話し上手とよばれる人は、「間」を意識して、あるいは無意識のうちに、うまく「間」をとり入れている。風も通さない饒舌は、聞いているほうも苦しくなり、終わった時には、さて、何を聞いたのかということにもなりかねない。
余韻とか余情、ふくみ、それらはすべて、「間」のいかし方にかかわっているように思われる。思わせぶりな「間」は、いい余韻にも余情にもならないのだろう。
私の身近にすごい饒舌がいる。一度喋り始めると、ものすごい勢いで喋る。自分の意見を言おうとすると、さらに早口になり、自分の意見どころか、話しを聞き取ることすら大変になる。その饒舌の正体はズバリ私のおばさんである。久仁子おばさんは「間」をまったく開けない典型的な饒舌である。私はおばさんのような饒舌ではない。饒舌のように早く喋ることさえできないと思う。そのせい反対、話し上手の人も知っている。『FNNスーパーニュース』のコメンテーターとして出演している、木村太郎さんである。事件に関するVTRを見て、
「木村さん、どう思いますか?」
と安藤アナウンサーに聞かれると、とっさに答えて、ためになるコメントを必ず言う。どんな質問にも簡単に答えることができる。話す時間が約三十〜四十秒という短い間である。この短い間に興味深い話しを詰めてする。「間」も上手にとっていて、聞きたい、という気持ちになる。まさに幻の話し上手である。「間」をいれることは大切だと思う。
私は饒舌でも話し上手の人でもない、ちょうどまんなかだ。私は自分の意見を相手にまっすぐ言うことが上手ではない。相手が納得するような言い方、これがなかなか見つからないのだ。いつもテーマからとんでしまい、焦点に集中することができない。今度日本に行った時、木村太郎の弟子になりたい。そして彼に正しい「間」のとりかたなどを教えてもらいたい。そして修行を終えた後、立派な話し上手になって、
「グランツさん、どう思いますか?」
と安藤アナウンサーに聞かれたい。
講評 yuu
マリアちゃん、こんにちは。
最近、たいへんコンパクトな作文に仕上げてくれていますね。字数は以前より短くなりましたが、起承転結がきれいに読み取れる美しい構成ですね。
話上手な人は聞き上手だとも言います。その逆もあります。つまり人のお話を上手に聞く姿勢もとても大事だと言えます。どんなに話すことが上手でも、まったく人の意見に耳も貸さないような人では、信頼を得ることはできないでしょう。木村キャスターのお話を上手に引き出して、上手に聞き手にまわる安藤アナウンサーの力もあって、ますます良い間が生まれているのでしょう。
たしかに、相手を納得させるお話をするのは難しいことです。どうにかこうにか言葉を並べて、強い力で相手を説得することはできるかもしれません。でも、「なるほど!」と思う気持ちと、納得・説得もまた違うのです。もちろんこの中で一番大事なのは「納得」です。
上手なお話をする人がいると、もっとその人のお話を聞きたくなるものですね。その人の考え方や価値観、感じ方を聞いていると、とてもためになるとか好奇心や興味が湧いてくるものです。
お話上手になるには、練習や経験も必要です。豊かな経験があると、お話の題材も豊かになるね。作文を書くときの発想と似ています。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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