低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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身の周りのもの えなも
車や電化製品の寿命はせいぜい10年である。それに対して無垢の天然木の家具のそれは100年以上、中には300年以上使われ続けているものもある。家具は価値が下がることはなく、むしろ使い込んだほうがよくなる。そして、単に迫力があるだけでなく、自然素材特有の温かさと柔らかさで私たちを受け入れてくれる。木の家具と対話しながらの日々は私たちの意識をかえていってくれる。しかし現在、私たちの身の回りには安っぽく薄っぺらな工業製品であふれている。日本の公教育においても未だ時代錯誤の「工業化時代の生産様式」でもって応用力のないひよわなマニュアル人間を造り続けている。なにしろ木というのは生命力を基本的には備えており、それを人間が感じ取るだけでも意味のあることだ。もっと木の遠大で深遠なメッセージを読み取るべきだ。
歴史の刻まれた古いものには暖かみがあってよい。私は以前すごく古いピアノを見に行ったことがある。すごく鮮明で綺麗な音に感動した。100年ほど昔のピアノというのは、最初から最後まで職人の手で作られる。もちろん鍵盤は黄ばんでいるしはげている。だが、今作られているピアノでは考えられない、なんとも見事な彫刻にも驚いた。よく凝らされたピアノだった。最近では、キーボードや勝手に鍵盤が動くピアノ、また透明のピアノといった様々なピアノを見る。しかしやはり長い間使い込まれたピアノに及ぶはずがない。弾くピアニストの気持ちも違うのではないだろうか。長年使うことで手に入れたときよりもさらに味が出てくる。
しかし、新しいものにもそれなりのよさがある。新しいノートを使うのはなぜかうれしい。ノートの1番最初のページを見るとだいたい丁寧な字で書いてある。それがページをめくるごとにだんだんぐちゃぐちゃになって自分で書いたはずなのに、きたなくて読めない字が出現する。どうしても新しいものには気持ちが入る。それは、新たな気持ちで頑張ろうという切り替えができるチャンスでもある。つまり、1つ区切りをつけられるので、また新たに進んでいける地点でもある。そのような特長が新しいものにはある。
確かに歴史ある古いものもいいし、逆に新しいものもよい。しかし「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある」という名言があるように、最も大切なことは、私たちの生活を向上させるためには何が必要かということをしっかり考えることだ。時と場合によって、どちらがいいかを見極められる人間になりたい。
講評 kira
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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