創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化論   ルフィ

 ヨーロッパで生まれた科学技術は、自国の文化と対立することなく、いわば同心円をなしていた。それに対し、ヨーロッパの科学技術が日本に入ってきたときには、それは日本の文化と同心円をなすようなことはなく、むしろうまく加工されて日本文化の中へ溶け込んでいった。私は、この科学技術が輸入されたときのように、外国のものなどを、自国の文化に合わせて取り入れるべきだと思う。そのために、以下のような方法を挙げておく。
 一つ目は、上っ面だけの模倣はしないほうがましだということだ。つまり、その中に隠されている深いところを見出せるのならまだしも、ただ「なんとなく」まねをするのはよした方がいいということである。私ははっきり言うとファッションには全く興味がない・・・というよりも縁がない(笑)だから私の勘違いだったら恐縮なのだが、あの下げパン(もしくは腰パン)というものは一体どこがよいのだろうか。イタリアだかフランスだかからの「輸入」だと聞いたが、どうも解せない点がいくつかある。まず、歩きにくい。あれだけズボンを下げていると、ひざが曲がりにくいはずである。また、外見も格好悪い。皆足の長い人に憧れると口では言っているが、あれでは必要以上に短足に見える。まだまだいいたいことはあるのだが、きりがないのでここら辺にしておこう(笑)とにかく、その下げパンというものは、欧米のファッションの上っ面だけを真似したよい例だと思う。だから、せめて我流に加工をしたもの、例えばズボンをぴっちり挙げる上げパンなど(無論冗談だが)そういったことをすべきだと思う。
 二つ目の方法としては、自国の文化のよさを再発見するというものだ。特に日本などは、明治維新以降西洋に追いつけ追い越せといったスローガンを掲げて欧米の文化を手当たり次第に取り入れてきた。そのため、自国にもともとあった多くのよいものが失われてしまった。その顕著な例として、和食がある。これは、皮肉なことに近年アメリカなどでは、そのよさ(栄養面など)が歌われてささやかなブームになっているそうだ。逆に日本は、糖尿病の患者が増えたりなどと一種の逆転現象が発生している。わたしたちは、今一度自国の文化を振り返ってみる必要もある。
 確かに進んだものをどんどん取り入れる積極性は大切だ。しかし、大事なことは取り入れたものをしっかり消化できているかどうかであろう。食べ物だって、あまり詰め込みすぎると胃が破裂するではないか。「文化とは、検閲なしで輸入されるのではなくむしろ輸入後もよく反芻されるべきものである。」社会化の時間で昔習ったのだが、日本は加工貿易が優れているということだった。確かにそれは一種の能力であり、前述してきたように大切なものである。だが、その能力を保ちつつさらにオリジナリティを求めることはできないのだろうか、と私は、今ふと思った。

   講評   kira

 ルフィくん、こんにちは。力強い文化論になりました。ちょっと「下げパン」で熱くなりすぎたかな? まったく同感なので楽しく読ませてもらいました。たしかに、あれはいただけない。
 ファッションには右に同じで無頓着な私ですが、それでも身なりというものは自分をより快い印象にするために、いわば欠点を補うようなかたちにもっていくものではないかと思うのです。黒髪を茶髪にしたり、目をくっきりとメイクしたり、みな西欧へのあこがれですよね。ですがあの「下げパン」は日本人の○の短さを考慮に入れていないように思うのです。
 つまり自覚のない者はうわべの模倣に走るということだろうか。ということで、第二の方法につながるよね。
 食生活の欧米化はいいものをまったくもたらさなかったね。日本人にはもともと「飢餓遺伝子」とかいうものがあるんだそうです。粗食で充分生きられるというもの。だから欧米人並みに食べると完全に栄養過多になるそうです。「その昔、はじめてアメリカ映画を見た若者が主人公が冷蔵庫から牛乳をだしてごくごく飲み干すシーンにたまらない憧れを感じて、がむしゃらに働いた」なんてエピソードを聞いたことがあります。西欧のもの何もかもをほしがったツケがまわってきましたね。
 「日本は加工貿易が優れている」というのはナイスな発想ですね。日本は自国の小ささを知恵で乗り越えたんだね。その知恵を持ち続けることで、いたづらに日本文化を滅ぼすことのないようにしなければなしません。日本人らしさをいま一度。
     

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