創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   ハイテク社会   あとえ

 私たちは、ユーザー中心主義と呼ばれるような、テクノロジーの産物としての道具は、すべて人間にとって使いやすく、親しみやすく、身体に「なじみやすい」ものであるべきだという考えをはっきり表明し、しっかりほりさげておくべきである。そして「使いにくい機械が悪い」と堂々と言える文化を創り出す必要がある。
 ハイテク機器と呼ばれる便利な道具がたくさんできて、私たちの生活は以前よりずっと楽なものになった。しかし、私たち人間は道具に従属してしまっている。これは重大な問題である。
 その原因として第一に、何か新しいことを始めようとするとき、制度をまず先に作るために、人々の意識がおくれてしまうことである。数年前に住民基本台帳をはじめとするIT化が起こった。住民基本台帳という制度が始まった時、私たちはそれが一体どういうものなのかということを正しく理解していなかった。専門家がワイドショーに出てきて、色々な意見を述べたり、連日ニュースで報道していたりしたが、何だかものすごく遠い世界のような気がしていた。当時私はまだ中学生で、私には何の関係もないものだと思っていた。しかし、本当は国民全て、すなわち私にも十分関係のあることだった。そんな風に関係ないと思ってしまったのは、制度が始まる前に十分な知識を私たちに与えてくれなかったためである。きっとそういうことを利用して、曖昧にしようとしていることもたくさんあると思う。しかし私は、曖昧にされようとしている大切なことを、見逃さないように、しっかりとした意識をもち、十分な知識をつけるべきだと思う。
 第二には、日本の伝統的な考え方である。日本の伝統的な考え方は、プロ主義である。プロ主義とは、専門的なことは専門家にまかせておけ!という一見押しつけのようなものである。今の世の中は不況で、リストラも多い。リストラが多い原因は、ただ単に不況だからという理由ばかりではなく、コンピュータというハイテク機器がより高度で便利になったこともあげられる。情報処理能力に優れたプロに事務は全てまかせておけ!人間なんて必要ない!というわけである。しかし、コンピュータはもとはと言えば人間が作り出した道具にすぎない。だから、道具の恩恵を受けているが、道具を管理する側にはいないなんていうような、道具に良いようにあしらわれるようではいけない。道具にまかせっきりなのではなく、私たちは、元栓を閉められるような位置にいるべきである。
 確かに、便利で新しい物を取り入れることは良いことだと思う。しかし、新しい物を取り入れる時に、道具に従属してしまっていることはやはり重大な問題である。道具はそれだけで何かできるのではなく、私たち人間があってこそその真価が問われるのであるから、私たちは、そこをもっと深く考えておかなければならない。

   講評   kira

 由希子ちゃん、こんにちは。今回はめずらしくちょっと怒りの文体ですね。「きっとそういうことを利用して、曖昧にしようとしていることもたくさんあると思う」この表現は最近のニュースで痛切に感じることがあったんだよね。国会は何やってんだと思わされることがいっぱいです。「しっかりとした意識をもち、十分な知識をつけるべきだ」ということの次に「道具を持つ前に使い手を育成する必要」にふれておくといいね。
 日本のプロ主義はいい意味では優れた専門家や伝統を生みましたが、反対に依存も生んだように思います。「任しとけばいい」のは単に機械にというだけではなく、機械を操る特殊な人にという部分もあったよね。IT化が進んだとき、果たしてそれが自分自身に突きつけられると感じた人がどのくらいいたのか。「私は機械オンチで」と言ったとき、人は機械の下に立ってしまうんだね。
 近未来をあつかった映画などで、機械文明から逆襲されるといったストーリーがたくさんあります。いい映画だったねと楽しむ一方で、人間として考えることをすべきですね。
      

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