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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   価値観   こめ

 産業革命以来、技術革新は、それが増大させようとした物財生産はみな、数値化が可能なものだった。いま進んでいる技術革新が増加させようとしている「知価」創造は、現実的にも理論的にも数値化不可能な性格のものである。こうした社会的主観に依存する数値化できない「知価」への傾斜が深まることは、専ら数値による客観性を重視してきた工業社会的合理精神には、許容しがたい事だ。産業革命以来二百年振りに人類が迎えた「新社会」を生み出す大変革、いわば「知価革命」なのである。
 この文章は、今から20年以上前のものだが、今はこの予想が当たっており、「知価」想像で数値化不可能な社会となっている。だから、「知価」という価値観を受け入れ、社会に勝ち残っていくべきである。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、一部を除く全ての物事に対して「選ぶ」自由を認めることである。昔は、今ほどには選ぶ自由というものはなく、それ故に中学などを卒業した直後に集団就職などといった形をとっていた。しかし、現在はどこの企業にはいるかということは、ある程度は個人の自由であり、個人個人で好きな企業や職種などを選ぶことができる。また、それを受け入れる側の企業も誰を採用して誰を落とすかということは自由であり、それは「知価」によって決められている。私は、学校の合唱祭の時に審査員をやったが、本当は数値に表せないことを数値に表す、つまりだいたいの目安の数を選ぶことをした。やはり、今の世の中は「知価」という価値観は必要なのである。
 第二の方法としては、今以上に情報の普遍浸透を図ることである。「知価」という価値観は、「情報」という物によって変わってくる。なぜなら、どのような実績を残したか、またどのような学校を卒業したのか、どこの会社に入っていつリストラされたか(笑)ということなどは、皆「情報」という物に含まれているからである。だから、情報を沢山持っていた方がより正確な価値を把握できることは言うまでもない。しかし、今は情報格差といったものがあり、コンピュータなどの情報機器がある所と無い所では発展の仕方も判断の仕方も異なる。あまり格差はあってはいけない。だから、情報の普遍浸透を図ることが必要なのである。
 確かに、産業革命の時に創りあげられた社会の価値観という物も大事である。しかし、今の社会に負けないためには、今の社会の価値観というものを受け入れる必要がある。価値観とは、不変のものではなく、常に変わっていくものなのである。だから、「知価」という価値観を受け入れ、社会に勝ち残っていくべきである。

   講評   kamono

堺屋太一が知価革命を書いたのは、1985年だったと思います。いまのIT時代を見通した洞察は、驚くものがありますね。集団就職という、たぶん業種の選択が、あまりできなかった例として引いてきたのでしょうが、一方で、金の卵という表現もされました。高度成長にかかる直前の、まだ貧しさを引きずって高校進学も断念、というニュアンスも、この言葉にはありますね。
  知価という価値観を受け入れて「社会に勝ち残っていくべき」、あるいは、情報格差をなくして「今の社会に負けないために」、というところは、少し、気になりました。確かに、いまの社会は、競争社会です。しかし、競争に敗れたものは、敗残者という決め付けになるような感じは、避けたいですね。負けようとして負けている人ばかりではありませんし、世の中、勝ち負けで割り切ってしまうことも、少し、いやですね。そういう感じを避けるために、「勝ち残る」という表現より、知価という時代に、「生きてゆくには」、という見方のほうが、読む人に共感を得やすいのではないか、と思いました。

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