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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   利便性のある道具   はるる

 自分のまわりにあるものを見てみると、ほとんどが機械化されたもので溢れていることに気がつく。電話はダイヤル式からボタン操作になり、今まで付いていなかった機能まで付くようになった。なぜ電話に、メール機能やインターネット機能が必要かは理解できないが、確実に道具は進化している。パソコンなんていうものは、最もその進化がわかりやすい道具だ。ただのワープロから始まって、現在では世界をもつなぐことが可能な近未来的な道具に成長した。しかし、一般消費者にとってパソコンは未知な部分が多い。完全に使いこなしているという人は案外少ない。その中でも、本当の意味でパソコンをわかっている人は開発者ぐらいなのではないだろうか。私は、人間にとって利便性のある道具の開発が、近年本末転倒なものになっていることが問題だと思う。
 第一の原因は、なにからなにまで機能を詰め込もうとする開発企業にある。これは日本の特色でもあるらしいが、開発者は小さいものに多機能を盛り込むことに喜びを感じるという。これは私たちが日常利用している機械的なもの、全てに言えることだ。ものが無い時代から、開発者達は努力をしてたくさんの製品を私たちの日常生活に送り込んできた。テレビや電子レンジなどは当時活気的なものだったに違いない。けれどもある程度、商品が飽和状態になると、企業は他企業との差をつけるために+αをつけようと躍起になる。その結果が現代だ。果たして本当に必要なのかと首を傾げてしまうものも多々ある。そういった企業間の開発競争が、今日の道具の使用に対する混乱を招いているのだ。
 第二の原因は消費者側の怠慢である。私たち消費者は道具に使われていると言っても過言ではない暮らしをしている。いつのまにかそれでいいのだ、と思考を停止させてしまっているのだ。目の前にある道具は確かに複雑なものかもしれない。それは企業の責任でもあるが、理解しようという気持ちが自分の中になければ、どんなものだって永遠に理解できずに終わるだろう。製品を送り出すのは企業だが、実際に使うのは消費者である。企業は消費者に対する利便性を、もちろん考慮して製品を開発するだろう。しかし、それが時には足らないこともある。そういった場合、声をあげなければならないのは我々消費者なのだ。常に思考を停止させない消費者でありたい。
 確かに今日の機械製品、特にパソコン、携帯はある意味異常なものだ。しかし、そのようなものにしてしまった責任は企業だけでなく、消費者にもある。道具とは本来使いやすく、便利なものだ。その理想的なものを目指すには我々の努力も必要なのである。(自作名言)開発者あってこその道具、消費者あってこその道具、ということを忘れてはならない。

   講評   sugi

 人間は道具をどのように進歩させてきたか、どんな新たな問題が生まれてきたかという説明から始めた書き出し、その後の社会問題の主題へとうまくつながる書き出しになっているね。また次も状況説明からの書き出しを工夫してみよう。
 開発者の自己満足や企業間の開発競争の話はおもしろいね。これらがもしなければ、いいものは生まれないのだけれど、あまりにも過熱しすぎると不要な機能を盛りだくさんにした商品が生まれてしまう。第三段落の消費者の話も納得。多機能の商品を買って、その中の一部の機能しか使わないというのが当たり前のようになっているので、消費者の商品の選び方にも問題がありそうだ。
 三週目もはるるさんの得意なテーマではないかな? この調子でがんばりましょう。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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