創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   平等と自由   しっぽ

 最近、先輩、後輩間の中でのいじめは無い代わりに、同学年同士でのいじめが大半を占めるようになった。また、家庭では、一人っ子が増えたため、兄弟から学ぶはずの力の加減について学ぶ機会はぐんと減る。学校では先生が「平等」を主張し、子供たちは個性を表現する場を失ってしまう。自分が優越感を感じられるものを一つ作るだけでも、酷いいじめは減少するだろう。子供たち一人ひとりが自分らしさを見つけられるよう、自由競争をするべきだ。
 まず、その第一の方法に、周りの人が、子供に勝利したという喜びを味わわせることである。自分で言うのも何だが、昔私は人に「天才」と呼ばれていた。もちろん今は全くそんなことはない。むしろ普通以下である。幼稚園のころ、足し算、引き算、掛け算、が出来、漢字も書けたし、ピアノも引け、セーラームーン(?)も書けた。みんながすごいすごい、と誉めてくれるので、私は今自分ができることを全て特技にしようとして、もう限界になるまで練習を繰り返した。しかし、いつからだっただろう・・・・・・中学受験の頃からだろうか、私は入試のために、今まで努力してきたものを全て捨てた。勉強に専念すること約半年。一日サボると三日戻る、とはよく言ったものだ。私の手は鉛筆を持つことしかできなくなった。ピアノを弾こうとしたが、指は半年前より三回り太くなり、ペンだこが邪魔して鍵盤を叩くことができかった。半年間一生懸命叩き込んだ知識も、いつかは消えてしまう。中学になってしばらくして、私には何も自慢できることが無くなってしまった。同じクラスにいる子たちは、みんな輝いていて、私一人が取り残されているような気分だった。それから、だんだんやる気が無くなり、投げやりモードに切り替わってしまった。それから今に至るわけだが(笑)、何か一つでも、人より勝るものがあれば、それは全てのものに繋がる。どんなものでもいい、自分が誇りに思えるものを見つける、ということが大切だ。
 また、第二の方法に、子供たちの上に立つものが、「平等」という言葉で子供たちを押さえつけない、ということである。平等を基本原理とすることで、もし子供たちの内の誰かが、特別で優れた才能を持っていたとしても、それはきっと日の目を見ることはないだろう。また、それが、才能に長けた人を目指す子供たちの向上心を不本意にも妨害することになるだろう。
 確かに、差別問題が指摘される中で、「平等」であるということは必要だろう。しかし、口で言う程「平等」という状態が簡単に作られるだろうか。いくら大人の管理化にあるといっても、子供は身近に自分を引っ張ってくれるリーダー的な存在を求めるものである。その資格を巡って力加減を知らない子供たちが万が一争うようなことがあったら、それはとても恐ろしいことである。いくら誰もが平均的であることを望んだとしても、それは有り得ないことである。一人ひとりの個性、能力を認め合うことが、これから私たちにとって必要なことだと思う。

   講評   nane

 しっぽちゃんらしい力作。自分が誇りに思えるものを見つけることの大切さには同感。現代は、この「誇りに思えるもの」の多様性が失われ、多くの子供(そして大人も)が、限られた狭い土俵の中で、わずかの勝利を目指して殺到しているように思えるね。子供の場合は勉強の成績、大人の場合は所得の額かなあ。(笑)
 しかし、まだ人生は長い。高校生の今ごろ得意なものが決まっている人はほとんどいないし、このころの得意はまたこれからいくらでも逆転する可能性がある。たぶん、自分の好きなことを基準にこれからだんだんと自分の得意技が見つかっていくと思うよ。好きなことは、いくらやってもくたびれないからね。
 第二段落の体験実例に気合が入っていたので、全体の構成がちょっとまとまりにくくなったかも。しかし、結びは、書き出しの主題に合わせてうまく収めた。余裕があれば最後に光る表現をもうひとこと。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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