国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   心を伝えるプレゼント   らいむ

 「ハイ、お土産だよっ。かおりんこういうの好きでしょ?」
「えっ、ホントにもらっちゃっていいの? 」
「いいに決まってるよぉ! 」
「うわぁ、ありがとう! 」(書き出しの工夫)
ゴールデンウィークや夏休み、冬休み、とにかく休みの後はおみやげを買ってきてくれる友達が多い。もちろん、私もそのお返しに、マスコットなどを買ってくるのだ。普段は放課後にもらう(渡す)が、たまに学校で交換するときもある。私の通う学校は、おみやげを持ってきてはいけないという校則はない(と思う)が、先生に見つかったら何か言われそうなのでひやひやする。だから、そういうときは昼放課などに、生活科室などでひっそりこっそりともらう(渡す)。でも、もらったときはとても嬉しい。私はキーホルダーやマスコット系が好きなので、そういう物をもらったときは、一倍嬉しさが増す。
 ある時私は、友達の理子、温(のどか)に、とても可愛いおみやげをもらってしまった。他の友達も、シャープペンやボールペンをくれたが、理子、温の二人は私の好きな、キーホルダーをくれたのだ。その日、私は何事もないように一人で下校しようとして昇降口の前に来たその時・・・! いきなり私は手首をぎゅっとにぎられた。そして、私が思わず、
「うぎゃぁぁぁ!? 」
と、まるで猫がつぶされたような声をあげてしまった。そのまま、廊下の隅にある掃除ロッカーのすきまに、するりと入っていった。そこで初めて、顔をあげて、引き込んだ人物を見ると・・・。
「ほぇ? 」
と、変な声をもらしてしまった。
「ほぇ? じゃないだろっ? まったく・・・。」
私を引き込んだ人は、理子だった。理子は、私より二、三ミリだけ身長が高いが、力は私より強い。そしてもう一人。これは引き込んだ人ではない、その掃除ロッカーのところで待ちぶせしていた人だ。温だった。私を含めて三人とも、身長が百三十五センチ前後なので、このように小さい空間に入ることなら、なんとかできるのだ。ここなら、ロッカーの上にちりとりがバンバンのせてあるので、大きい人は入れない、と二人は考えて私を呼びだしたのだろう。(仮に大きい人が入ると、絶対ちりとりが上からどんどん落ちてくるだろう。)私が怪しげに、この二人の友達をじろじろと眺めてみると、手に小さい紙袋を持っているではないか?! 何だこれ、と思って、二人に聞いた。
「で? よりによって何でこんなとこに・・・? 何かたくらんでる? こんなとこで校内暴力しようと思ってもダメだよ。(笑)」
まっさきに温が反応した。
「かおりーっ、何でそんな発想につながるわけ? 」
「それじゃぁ、用は何ですかぁ? 」
と私が聞くと、理子が答えた。
「かおり、おみやげ欲しい? 」
いきなり言われて、私は戸惑った。
「・・・欲しいっていえば欲しいけど・・・・? えっと・・・? 」
理子がズバッと、笑いながら言った。
「あっ、じゃぁ、欲しいんだねっ? 」
そして私は、変な気持ちで、二人からのおみやげを受け取った。
「うあっ? 」
また私は変な驚きの声をあげた。何故かというと、二人とも、とても可愛いおみやげをくれたのだ。理子は、イルカのキーホルダー。普通のプラスチックのキーホルダーなのだが、首のあたりに小さい、プニュプニュした紫色の真珠玉(?)みたいなものが、特に綺麗だった。温は、双子のアザラシのキーホルダーをくれた。鈴もついていて、ゆらすとリンリンなる。アザラシの目も可愛かった。
「理子に温、ありがとう! 明日、私もおみやげ持ってくるよ! 」
初めはこの二人におみやげを買ってこなかったのだが、余分に、キーホルダーを買ってきたのだ。そして私達三人は、こっそりとすきまから出ていった。幸い、誰にも見つからなくて、私達はホッとした。
 しかし、おみやげをもらっても、不幸な出来事はあるというものである。理子と温からおみやげをもらったその日の夜、私は筆箱にどちらかのキーホルダーをつけようと考えた。両方つけても良かったのだが、最近私達のクラスでは、男子が女子の筆箱についているキーホルダーを壊すという事がおこっていたので、やめておいたのである。それに、両方つけると、欲張りでばちが当たるかな(笑)、とも考えてしまったせいもある。でも、キーホルダー壊し事件(?)があったとしても、この可愛いキーホルダーを学校でも見ていたい! と私は考えたのだ。結局、温からもらったアザラシのキーホルダーは、アザラシが白いので、汚れるといけないと思い、理子からもらったイルカのキーホルダーにすることにした。そして次の日・・・。
「おはよー。」
「おはよー! あれ、かおりキーホルダーつけたんだ。」
一番最初に気がついたのは、江里だった。
「うん、そうだよ! 」
「かおりのキーホルダー可愛い〜♪」
「江里の筆箱についてるキーホルダーも可愛いよぉ! 」
それはそれで良かったのだが、それから一週間後・・・。私は、休憩時間に例のキーホルダーのプニュプニュのところをさわっていた。そうしたら、私が力を入れすぎたのか、急に・・・。
「プツッ」
「?!?!?! 」
キーホルダーの、つなぎ目のところがブツンと切れたのである。あわてて、不器用な手であれこれやってみたが、無駄に終わった。家に帰って、ペンチでぐいぐいやっても、治る気配はなかった。
「はぁー・・・。」
五分位集中して直そうとしてみたが、無理だった。イルカの形と、あのプニュプニュはそのまま残っているので大丈夫だが、つなぎ目が切れて曲がってしまったので、もう筆箱にはつけられない。仕方なく、キーホルダーは別の物にした。今でも、つなぎ目がないイルカのキーホルダーがある。せっかくもらったおみやげを、一週間余りで壊してしまう私が、なんとなく無責任な私みたいに思えた。
 このように、プレゼントはもらったらとても嬉しい。(壊してしまったら悲しいが)プレゼントとは、人間にとって、あげる人の気持ちがこもっていて、もらって嬉しくなるものだと思う。自分が欲しくない物だとしても、あげる人の気持ちがこもっているので、不思議に嬉しくなる。それに、たとえ安い物だとしても、心がこもっていれば嬉しい。人間には、何かに心をこめるという素直な気持ちが、欠かせないと思う。

   講評   kiri

 

 こんにちは。
 書き出しの会話、いつもながら楽しいね。
 そして第二段落の体験例もリズミカルに書けました。「まるで猫がつぶされたような声」というたとえもうまい。こっそりとすきまでおこなったおみやげ交換はとっても楽しそうだね。誰にも見つからなくてよかった。お友達が自分のためにおみやげを買ってきてくれるなんてうれしいね。
 第三段落では、もらったプレゼントがその後どうなったか、くわしく書けていたね。一週間で壊れてしまったのは、とっても残念だったけど、かおりちゃんがキーホルダーをとっても気に入っていたこと、大事にしていたことはしっかりと伝わってきました。
 最後のまとめは、十分な長さの文章が書けたね。全体が長いので(笑)最後のまとめが短いように思うけど、これだけ書けていた合格です。

これからは、森林のポイントを上げることも考えようね。

そういう物をもらったときは、一倍嬉しさが増す。→ うれしさが倍増する。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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