国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2259 今日1609 合計6481
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   「日本のソナタ」   うるい

 韓国ドラマ「冬のソナタ」が話題になっている。少し前だったら、韓国のスターが日本で脚光を浴びることはなかったように感じる。私自身の感覚で言えば、韓国に対しては戦争中の日本軍の行為に、ある種の後ろめたさを抱きつつも、遅れた国だという差別意識もあり、複雑な思いがあった。おそらく、私と似たような感情を持っていた日本人も多かったと思う。しかし、ワールドカップの共同開催を契機に、両国の確執は徐々に薄らいでいるようだ。もう一方で、先日、イラクで韓国人が今まさに殺されるというニュース映像がテレビで放映された。なぜ、韓国人がイラクで殺害されなくてはならないのか。その根にあるのはイスラムとアメリカの確執である。両国は、互いに譲ることのできない信仰・正義のために、殺し合いをしているのだ。日本もまた、国際貢献という名目で、アメリカの要請によりイラクへ自衛隊を派遣している。アメリカに強く依存している日本にとって、自衛隊の派遣は避けられない選択かもしれない。しかし、それとは別の形で日本が世界の中で国際貢献の役割を果たすことはできないのだろうか。
 日本はこれまで、様々な文化を吸収し独自の文化を創った。江戸時代までは中国を中心にアジアから様々なことを学び、明治以後は欧米文化を貪欲に吸収した。しかも、そういった外国の文化を単純に輸入したのではなく、自文化として吸収したのである。アフリカやインドでは西洋の学問を学ぶ時、西洋の言葉を学び、西洋の言葉でその学問を学ぶのだという。それに対して、日本では医学を除いて、あらゆる西洋の学問を、日本語に翻訳して自分たちの言葉に変換し吸収してきた。料理なども、そうであろう。明治まで、牛肉を食べる習慣のなかった日本人は文明開化とともに西洋文化を吸収する中で、日本の調理法である鍋料理の中に牛肉を取り入れ、すき焼きという料理の形にして、自文化の中に取り入れたのだ。
 そうやって、あらゆる文化を吸収してきた日本ではあるが、それは同時に、日本人の確固とした信仰や信念の無さに由来するとも言える。何でも受け入れる容器とも言えるかもしれない。ただ、日本人の主体性が希薄に見えるのは、日本人が追求してきたものが抽象的な概念よりも、現実的側面を重視したからなのではないだろうか。現実生活をより良いものに、豊かに楽しむことを追求した結果なのではないのだろうか。
 たしかに、日本はかつて欧米の思想・技術を吸収し、それを自分たちの現実の生活を豊かにするために軍事力の強化に適用し、アジア諸国に対して大きな被害を与えた。そして、結果的には戦争に敗れ、日本自身もまた大きな痛手を被った。しかし、私たちが、他国を侵略したところで自分たちが幸せになれるわけではない、という教訓を忘れさへしなければ、日本人の性質を積極的に活用することで、世界の現状の問題の解決に貢献することも可能なのではないか。例えば、アジアと欧米の文化を自文化に取り入れたように、イスラム文化をも日本文化の中に取り入れることはできないだろうか。韓国との関係を参考にするならば、Jリーグにイスラム圏のサッカー選手を積極的に呼んだり、イスラム圏の国との親善試合を増やしても良いだろう。また、現在イスラム圏の情報というと欧米のフィルターを通したものが多い。CS放送でのアルジャジーラの放送は、ほとんどの時間帯は字幕をつけることも日本語に吹き替えることもせずに放送されているが、日本語放送の時間を増やしたり、アルジャジーラのようなニュース番組だけでなく、イスラム圏の娯楽番組なども放送すれば、日本人がイスラム文化を理解する機会は増すはずである。そうすることによって、日本が持ち前の他文化を自文化に取り入れる能力を発揮しイスラムの視点をも含めた意見を国際的な場所で発言できれば、日本は欧米とイスラムの確執を解消させる役割を果たせるのではないか。日本が目指すべきなのは、抽象的な信仰や信念の確立ではなく、現実的な世界平和なのだ。それはまた日本が戦争中に侵した韓国やアジア諸国に対する罪滅ぼしにもなるのだ、と私は思いたい。

   講評   nane


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)