国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   正義の味方はいるの?   しっぽ

 私たちが小さな頃から見てきた『ドラえもん』、『それいけアンパンマン』。この二つの作品に見られる共通の点は、登場人物が、正義と悪、というように完全に二極化していることである。その観念を刷り込まれてきた子供たちは、大人になってもなかなかそれを捨てきることができない。人間は、正義か悪か、どちらかには区別できない、ということを知っておかなければならない。そのためにも、私たちは、人や物に潜む多面的な姿を見るべきだ。
 まず、その第一の方法に、何事においても、相手の立場に立って考える、ということだ。私は、物ついた頃から、母に「自分がされて嫌なことは、他の人にもしちゃダメよ」と言われて育ってきた。そして、外でたくさん遊び、沢山の人と関った。私が五歳くらいの時、同じ社宅に住んでいた子たち十五人くらいと、丸ふみ(私たちはなぜかポコペンと呼んでいた)をしていた。そのポコペンとは、鬼が隠れている子を見つけ、「○○ちゃんみーっけポーコッペン!!」と言って、マンホールを踏む。もし、それをする前に、隠れていた子にマンホールを踏まれれば、鬼は交代することはなく、引き続き鬼の役目を果たさなければならないのだ。私が鬼になった時、みんながグルになって恐ろしい技を繰り出してきた。五人ずつくらい、手をつないで、一斉に出てくるのだ。歯が抜け始めたばかりだった私は、もちろん全員の名前を呼ぶことが出来なかった。何度も何度も鬼になって、私はとうとう泣き出してしまった。その後、六年生のお姉さんが鬼を代わってくれたが、私はその時、一人の人を陥れるのは絶対にやめよう、と思った。人に優しく、ということをモットーにしていても、どこかに、自分も認めたくないような心を持っているはずである。それは、いつ働き出してしまうかわからない。人に接するときは、人の気持ちを考えて、悪い心を抑えることを心がけなければならない。
 また、第二の方法に、社会に溢れる、画一化した思考について、いつも疑問を持つ、ということである。私たちがよく接する、皆が持っているとされる考えは、もう思考では無く、思想と化した。皆がみんな、同じ意見を持っているわけではない。例えば、今は自民党が政権を握っているが、どこかで民主党が上に立てば、と願う人もいる。日本は民主性を原理としているが、多くの意見の中にも、採用されず、無視されてしまったものもある。その中には、利己主義的な意見もあるかもしれないが、とても重要なものもあるかもしれない。マスメディアが代表として最も賛同を得た考えを述べる中で、それに対する意見を、独自に検討する必要があると思う。
 確かに、私たちは、そのものの表面的なものしか見ることができない。いちいち他の面を探っていては、この世界ではとても生きていけないかもしれない。しかし、人は一人では生きられない。自分が何か行動を起こす度に、色々な人と関り、巻き込むことになる。その中で、今まで仲間だと思っていた人が急に離れていってしまうかもしれないし、その逆もあるかもしれない。自分とその人との間で起こったこと全てが自分を育てる糧になる。人との関り合いを疎かにするのではなく、多くの人と関り、沢山の人の気持ち、考えを感じ、また、自分の多面的な感情を他人に見せるべきである。

   講評   nane

 体験実例がいつも印象的。子供時代のいじめの体験は、かえっていじめられた人の心を成長させるみたいだね。大勢で一人の人を陥れのがいけないことはだれでも理屈では理解できるが、心からそう思える体験をした人は強い。そういう体験をした人の民主主義は、実感がこもっているはずだからね。
 字数は1200字まで書いてあれば、大体どこでも通用する。1200字を目標として考えた場合、段落相互の字数のバランスを考えていくと、読みやすい印象の文章になる。一つの段落(というかまとまり)を300字ぐらいにして、同じような配分で書いていくといいよ。
 すると、冒頭の状況実例と第三段落の社会実例はもう少し長く、第二段落の体験実例はもう少し圧縮して書いていくといい。第三段落は、説明的な話にするよりも、具体的なエピソードを書いていくと面白い。読書による実例を増やしていこう。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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