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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   何でもできるエリート   ほり内

 日本は今までアメリカに追いつこうとしてきた。黒船来航によりアメリカという国に出会い、その国力のすごさに圧倒されて、日本はなんて落ちぶれているのだろうと、自国を見なおすきっかけになった。そして、明治以降アメリカに追いつこうとしていき、第2次世界大戦でアメリカと直接対決し、結局負けてしまった。そして、終戦後、日本はみんながある程度の教養を身につけることを目標とした、ゼネラリストを育成する教育になった。これにより、現在日本の現役高校生の大学進学率は約43%という高確率をマークしている。しかし、最近、学校教育に「ゆとり教育」たる指標を打ち出し、評価方法を絶対評価にし学校の指導要領をかなり削減している。これにより、全教科を満遍なく勉強できる少数のエリートを大学に進学させ、落ちぶれている人々は自分が持っている特殊機能を伸ばす様につまり、スペシャリストを育成する。これは一見良いように聞こえるが、実は、これをずっと続けていくと、将来、何でもできるエリート衆が日本を支配する事になり、現在のアメリカのようなゆがんだ社会になっていくのではないかと思う。
 私は、今までのゼネラリストを育成するという指標でやってきた教育を、「ゆとり教育」の名の元に、スペシャリストを育成するという方向に変わってきているのが問題だと思う。
 その原因は、教育委員会のお偉いさんがたが楽をしたいとおもって、このようなシステムを作ったからだと思う。教育委員会の人々が、自分達は楽になりたいと思い、教師も疲れるカリキュラムを作成したのではないかと思う。私はゆとり教育の一連の改革の最初の代なのでシステムが変わりすぎて、いろいろ対応しきれない事があった。(体験)
 また、日本の財政界の人々が、日本の現代社会をアメリカの様にピラミッド型にしようという案が出ていたからではないかと思う。今までの日本は、どちらかというと、平均的な社会だった。みんな同じようなレベルで、きわめて突出した人がおらず、かつ、完全に落ちぶれている人はいないという社会だった。しかし、スペシャリストを育成するという教育方法により、日本の経済バランスをピラミッド型にしようとしているのだ。
 確かに、スペシャリストを育成する事は、これからの社会に必要なのかもしれない。しかし、何でもできる少数のエリート達が、これからの日本を支配する事はあってはならない。

   講評   unagi

 <構成>「スペシャリスト育成」に反対の立場を取っています。理由は「何でもできるエリート衆が日本を支配する事になる」からですね。発想はとても面白いのですが、エリート衆が支配するようになるまでのプロセスをもう少し詳細に説いてくれると、より分かりやすくなりますよ。問題点の原因を二つ挙げています。一つは「教育委員会が楽したいから」。改革初代であるほり内君たちは大変な思いをした、という実例体験。もう一つは「アメリカに倣ったピラミッド型社会を作ろうとしているから」。着眼点はとてもいいと思います。ここでもうひとふんばり、アメリカ型ピラミッドの欠点をずばり指摘すると、さらにいい文章になるでしょう。
 <主題>スペシャリスト育成に対して盲目的に批判しているわけではなく、ある種の抑制が必要であると考える、という主旨で最後の段落を終えていますね。よくがんばって書いています。頭の中で討論をしているつもりで、自分の意見に「突っ込み」を入れながら考えると、さらに説得力のある文章が作れるようになると思います。

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