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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   日本文化と西欧化   あとえ

 大昔、祖先たちは原生林の森の中に住み、神々といっしょに生活していた。やがて農業をはじめると人々は森を離れ、開かれた耕地で太陽の光を身体いっぱいに浴びながら、一日をすごすことがだんだん多くなった。しかし、人々が薄暗く、たえず湿気を帯びた樹木の陰から離れ、明るく乾燥し、開かれた場所でひとり立ちするには、よほどの決心が必要だったのである。これは、日本人が西欧文化を取り入れる時にも同じことが言えた。日本人の心の古里を忘れ、西欧の真似をしても本当の満足はえられないのである。だから、日本人が上辺だけの西欧化に走り、日本人らしさや自分の主張を失ってしまっているのは問題である。
 その背景には、日本が西欧に追いつくことを進歩だと考えてきた歴史がある。文明開化以降、日本は西欧化を進めた。乗り物、服装、勉学、態度、様々な場面で西欧人のまねをした。その時代では、それが進歩している証拠だったのだ。しかし、日本が何でもかんでも西欧化したため、それまでの日本のすばらしい伝統的な文化もたくさんなくなってしまった。現在でも、日本語で言えば良いのにわざわざ横文字を使う人が増えている。私は、そういった日本の良いところがなくなってしまうような西欧化はいけないと思う。もっと自国の文化を守っていくべきだと思う。
 第二の原因としては、日本が自分の国の文化を見直さなかったことがある。私の学校には、留学生が何人かいる。一年生の時、そのうちの一人と同じクラスになった。ある時、その留学生が私たちに「徳島の良さは何ですか?」と聞いてきた。私たちは、答えるのにとまどってしまった。阿波踊りとか鳴門の渦潮だとか、答えは見つかっていたのだが、それをどう説明すればよいのかわからなかったのである。毎年くるのを待ちわびている「阿波踊り」、それは一体何なのか私たちは全く知らなかった。今の日本人で、日本のことを詳しく説明できる人が何人いるだろうか。たぶん、大半の人が説明するのに困ってしまうだろう。そんなことでは、日本の文化が西欧の文化に押し出されてしまう。だから、日本人はもっと自国のことをよく知るべきである。
 確かに、日本は西欧化によって柔軟性に富んでいたから、経済的に急速に発展することができた。しかし、本物の進歩とは新しい物を次々と取り入れることではなく、古い物の中の良さをいかしながら変化していくことだから、上辺だけの西欧化に走り日本人らしさや自分の主張を失ってしまっているのは問題である。アジアの雑多な少数民族の様々な少数文化が宝であり、その宝をも西欧化するのではなく、そのまま発展させるべきである。

   講評   kira

  由希子ちゃん、こんにちは。見事に日本文化論とアジアをめぐる文化の多様性を守る主張ができました。国連が「人間開発報告書」というものの中で「経済のグローバル化を背景として欧米諸国を中心に移民が増え、その影響などで約九億人の少数集団が差別や不利益を受けている」として「多様性を受け入れ、多文化主義を育てる政策」を各国政府に促したということです。一様な資本主義化、西欧化はよいものばかりをもたらしたのではないのですね。
 今、私たち日本は充分にゆたかな先進国となって、自国らしさや自国の文化に対する理解を深めようとしています。 由希子ちゃんが体験したように、海外からのお客様に対して自信を持って日本を紹介できる力を求めています。
 また、アジアにおけるリーダーシップをとって、発展途上の国が日本の轍を踏まないように関わっていくことものぞまれています。
 語学力の次には、多彩な知識を身につけたいね。ファイト!
       

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