創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   競争心   こめ

 最近のいじめの例では、上級生が下級生をいじめるというケースがほとんどない。差異を示すこと、攻撃性を示すことは、学校のなかではなるべく回避される傾向にある。子どもの世界に順位が確定すれば再び平和になるという論理が適用できるとすれば、順位を確定しないからいじめが起こるといえるだろう。子どもに競争に勝つことによる優越感を経験させるほうがいじめ減らしになる。自由競争の禁止ではなくて、自由競争の条件の公平を保証することが倫理的な条件である。
 私は、自由競争ができないために、大きないじめが起こるのは、いけないことだとおもう。だから、上の文章が述べているように、自由競争の禁止ではなくて、自由競争の条件の公平を保証するべきである。そのためには、どうすればよいか。
 第一の方法としては、いつでも皆を平等にするのではなく、ときには様々な競争をさせることだ。運動会(体育祭)では、2つ以上の組に分かれて勝敗を競うのが一般的だ。だが、最近、組を分けずに運動会を行うという学校や幼稚園などが出てきている。確かに、組分けをすると、組に所属している人の強さのバランスが悪くなることもあるという短所があるが、だからと言って組を分けないのは、ただ運動することを楽しんでいるだけにすぎなくなる。つまり、競争心というものがない運動会となってしまうのだ。このことは、学校の成績に関しても言えることだ。昔は相対評価で、成績が上の人は5、下の人は1と、自分の位置がはっきりと見えていた。だから、トップになろうと努力し、それが実ったらそれなりの達成感があった。しかし、今は絶対評価となってしまい、自分の位置が簡単には見えないようになってしまった。実際、私の通っていた中学校では、テストの結果がそんなに良くなかったのに5をつけたり、逆に良かったのに3をつけたりする教師もいた。これで、相対評価以上の達成感を味わえるだろうか、いや、味わえないだろう。競争心を持たなければ、意欲も持たない。そのことをよく考えるべきである。
 第二の方法としては、自己の能力を見つめ、それを認めてそれを個性として発揮することだ。少し難しいことに見えるかもしれないが(笑)、これは簡単なことである。人間は、誰一人として能力が無い人はいない。誰だって、何か1つは能力を持っているものである。だから、その能力はそのまま個性として発揮されるはずである。そのため、個々の得意分野を伸ばそうとし、また、それを活かすのである。だが、考えていない人はそれに気づかず、自分は能力を持っていないと、落ち込んでしまう。そのため、競争ということのやる気は起こらない。だから、自分の能力について考え直し、それを個性として発揮するべきだ。
 確かに、皆を平等にすることも重要だ。しかし、個性や自分らしさは、平等にするから生まれるのではなく、競争しようとするから生まれてみがかれるのである。平等社会という中で、競争する機会が減ってきている。だから、自由競争の禁止ではなくて、自由競争の条件の公平を保証するべきである。

   講評   kamono

現実の大人の社会、これは、いい意味での競争社会です。しっかりやれば、報われる、という意味でもあります。それが、戦後しばらく経ってからの日本の教育の場では、変な平等主義が入り込んで、いまだにそれが続いています。それが、子どもたちをスポイルしているという、説得力ある指摘、意見文になりました。過度な平等主義で育てられた子は、実社会に出てどうなるか、という危惧がぬぐえませんね。
 この課題の文章も、悪平等主義が子どものいじめを生んでいるという指摘で、これも説得力を感じさせます。それを踏まえて、しっかりした文章です。
絶対評価が自分の位置を見えなくしてしまっている、という指摘をしておいて、<テストの結果がそんなに良くなかったのに5をつけたり、逆に良かったのに3をつけたりする教師もいた。達成感を味わえないだろう。競争心を持たなければ、意欲も持たない(わかない)。そのことをよく考えるべきだ>と、体験実例に基づいて、しっかり意見が言えました。では、どうする、の結びも、自己の能力を見つめ、その能力を個性として発揮することだ。個性や自分らしさは、平等にするから生まれるのではない。ただ、自由競争の条件である公平は保証するべきだ、という押さえをしたことで、決まりました。

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