国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   自己認識   しっぽ

 最近、工業の発展などにより、宗教の影が薄れ、セルビア人とクロアチア人の見分けがつかなくなってきた。そこで、双方の民族主義派の政治家たちは、自分たちはなんの非もない犠牲者であり、相手側は民族虐殺の殺人鬼だというのである。クロアチア人はひとり残らず暗殺者ウスタシャに、セルビア人はみな、けだものチェトニクにされてしまった。こうした、言葉による煽り立てが、共生関係を切り崩し、やがて現出する殺戮世界の下地となっていったのだ。人間は、自身の存在を他者との違いによって認識しようとする。しかし、それだけで自分の価値を決定するべきではないと思う。
 まず、その第一の方法に、自分に自信を持つ、ということだ。小学生の時、私の中身はほとんど空っぽだった。いつも仲良しの子たちとつるんで遊んでいた。あるとき、その仲間たちの間で、歌手についての話が出た。私以外は、みんな『モーニング娘。』が好きで、私一人が、あゆのファンだった。モーニング娘。とあゆの話題は、交換日記でも持ち上がり、私は、一人であゆの良さを語るのが馬鹿らしくなった。というより、グループのリーダーを含む三人に自分一人で対抗するのは、いつか仲間外れにされそうで怖かったのだ。みんなとの関係を崩してまであゆを愛するよりも、不本意にもモーニング娘。派に乗り換える方が、賢い選択に思えた。他にも、自分の意見を隠したり、人に流されてしまうことが多々あった。昔は理解できなかった、『私は私らしく』、というあゆの歌詞を、今ならはっきりと主張することができる。
 また、第二の方法に、自分と他者との違いを増幅させない、ということだ。日本と中国は、古くから深い国交を育んできた。しかし、今の私には、両国がとても仲の良い国だとはとうてい思えない。記憶に新しい教科書問題や、日本が建設を指導した中国の鉄工所を、中国が自分たちの力だけで建設した、と公表するなど、両国の友好関係への不信感は、私の中でかなり深く根をはっている。自分のプライドのために相手への待遇を怠ったり、自分の利益ばかり追求し、互いに助け合うことを忘れたりしないようにしなければならない。私は私、あなたはあなた、というように境界線をひくのではなく、それぞれの違いを認めつつも、両者の関係を深めていくことが大切である。
 確かに、自分と違うものがあるからこそ、私というものが何なのかはっきりと実感することができる。しかし、他との相違点を見つけようと思えば、きりがない。また、それによって自分に対して卑屈になってしまうこともある。他人の容姿や生まれを羨んでも仕方がない。それよりも、自分自身を知り、常に、前の自分と、今の自分を比較することが必要だ。それによってきっと自信ができるだろう。自分と他人が違うのは違うのは当たり前だ。他人を競争相手として見るのではなく、自信の個性を確かめるための対象として見るべきだ。

   講評   nane

 「自分に自信を持つ」というところで書いたモーニング娘とあゆの実例は、よくわかる。しほちゃんは、小学生時代のいい体験実例をよく覚えているね。たぶん、小学生のころは充実して生きていたんだと思うよ。今も充実しているだろうけど。
 微差のナルシシズムというのは、例えば、同じモーニング娘派になって、その中で微妙な違いを主張し合うということ。モーニング娘とあゆだと話が違いすぎるのでかみ合わないために争いもないが、同じモーニング娘派の中では差が微妙であるだけにより激しい主張のやりとりがある。それがいい方向に進むことが話が盛り上がるということだろうね。
 第三の社会実例も、現代の問題をうまく取り上げた。日本・中国・韓国などは、微差のナルシズムが生まれやすいかもしれないね。
 結びの自作名言はいい表現になっている。
 森リン86点なので、高2レベル。(笑)

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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