国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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日本の言葉に力を取り戻すために 高原 八千穂
現代において,日常私たちが使っている言葉は,本来その言葉を使うことによって伝えられる微妙なニュアンスや,意味を伝えるための役割が薄らぎ,表面的な部分での伝達手段でしかなくなってきてしまっているのではないだろうか.言葉によって,その人の気持ちに触れ,共感し,感動し,その返答として,自分の思いを,言葉に託して伝える事を、どれだけの人が,日々の中で経験しているだろうか.AとBの資料は,現代の日本において,言葉自体が持つ力が失われつつあることへの危機感と,その原因について説明している.
第一に言葉が力を失いつつある原因として,Aの資料で述べられているように,現代の日本人は,土俗的なもの,地方的なものを恥じる傾向があるために,標準語や外国語を尊重し,逆に方言や母国語を軽視する思想があげられている.感じたままや,思いを表現する時,それは無意識に出るものが,その時の感情やそのものらしさを表すのに,一番適しているであろう.しかしそこに,標準語化や翻訳というフィルターが入ることによって,本当に表現したかった事をどれだけ汲み取って伝えることができるのだろうか.
第二に言葉が力を失いつつある原因としてあげられるのは、Bの資料にあるように,時代の変化が激しいために、世代間で言葉の意味する事が共通認識として持てなくなってきていること。また、メディアを通じて流される迫真的な映像の影響により、ものごとを伝達する手段として、言葉が力を失いつつある点を指摘している。さらに、映像が先行する環境の中で育つと感覚的鋭敏さが鈍くなり、想像力は衰弱し、言語能力が貧しくなっていくことを危惧している。今日、若者たちは携帯メールで、記号と絵を用いてコミュニケーションを楽しんでいるようだ。記号化された一部の位置づけとして言葉が存在し、本来の言葉が持つ意味的な要素は薄らいでいるように思われる。
日本語の危機が指摘される中で、自分が慣れ親しんできた土地や言葉に愛情を持ち,自分自身の言葉で表現していくことの重要性を認識しなければ、言葉に力は戻ってこないであろう.言葉は口が話すのではなく,心が話すのである。英語であれば「Green」一語で表してしまう緑の表現に、若草色、萌黄、深緑、青磁、鶯色、青丹など幾通りもの繊細な表現を持つ日本語と、それを育んできた日本の文化を私は誇りに思う。
講評 nane
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