国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人生を生きるということ   すみすみ

 ユージーンは、街の中に障害者が居ても居なくても人の流れが変わらない街だ。そして、障害者と自然と向き合う街だった。イギリスの作家、ローズマリ・サトクリフの自伝である「思い出の青い丘」には、「何かをできないこと」を観念的にしか理解されていない子どもの時代から、生涯の持つ社会的な意味を理解し、「孤独」を知るまでが描かれている。彼女は、「傷つこうが自分の責任で苦境に直面する」自由を、「傷つけられる権利」と呼んだ。この権利を守っていかなければならない。
 確かに私たちは、障害を持つ人たちに手を貸すべきだ。これは傷害を持つ人に限らず、誰でも困っている人がいれば助けるのが人間のあるべき姿である。重い荷物を持って苦しそうな老人を助けるのと同じように、障害者も自然に助ける対象であると思う。しかし、それにはしっかりとした知識が必要だと思う。不用意に手助けをしても、迷惑だと思うのだ。小学校の時、郡司ななえさんや、その他たくさんの障害者の方にお話を聞かせてもらう機会があった。その時に、「ちゃんとした知識を持って、困っている障害者が居たら助けられるように」と言われ、注意点をいくつか言われた。これは、どこの学校でも行われている訳では無いと思うので、もっと盛んに「話を聞く会」のようなものを開くべきだと思う。
 しかし一方で、障害を持つ人が自らの力でやり遂げようとする意志を尊重することも大切だ。傷害を持っている居ないにかかわらず、「能力に見合わない」と勝手に判断され、事前に行動を制限されることは人権の侵害にはなりはしないだろうか。日本人には誰にも平等に「基本的人権の尊重」が保証されている。(外国人であってもこの考え方を持って接するべきである)障害者は、確かにある能力に関して弱いかもしれない。弱者であるかもしれない。しかし、哀れなものでは無いのだ。傷害すら、個性なのだ。それは「資質」なのだと思う。その「資質」を持つことで、より弱い立場の人のことがよく分かるようになれ、そういった人たちの力になることも可能かもしれない。そういう個性としての傷害を認めた上で、挑戦したいことがあるならその意志を尊重するべきだと思う。
 弱者には手をさしのべることも、その人の意見を第一として尊重することも大切だ。しかし、一番大切なのは「私たちの人生は私たちが費やしただけの価値がある」という言葉のように、すべての人間が対等な立場で人生を歩むのだという姿勢だと思う。<総合化>

   講評   kamo

これは、大作になったね。とてもよく書けていました。要約が自然な形でしにくいかと思ったけれど、さすがにすみすみさん。とても上手でした。
 『構成』……こういう「複数の意見」になるよね。どちらも客観的に書くのは、実は難しいと思うけれど、同じくらいの比重で、しっかり書けています。
 『題材』……体験実例、いい話があったね。郡司さんの話の中で、どんな「注意点」があったのが、ひとつでも具体的に
書いてくれるとよかったよ思うよ。
 第二の意見の話のほうは、一週目の、「人の仕事を取ってはいけない」にも通じるね。そして、これは、とても勇気のいる発言だけれど、アスペルガー症候群のようなこともあるし、「障害は、個性の一つ」と、私も思います。確か乙武さんが、「障害は不便ではあるけれど、不幸ではない」と言っていました。
 『表現』……名言の引用は、もう必ずしてくれているね。このように結びの段落の流れに入れてしまう、と決めておくのがいいと思います。
 『主題』……いつもながら、いい形の上に、自分らしい一工夫が光っています。よくできました。
途中、「障害」が「傷害」になってしまっていたところがあったよ。直しておいてね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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