国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   社交の難しさ   ニュートン

  社交の難しさ
  ニュートン
 昨晩母が苦労して片付けたおかげで、かなり快適な子供部屋になっていた。まるで賢い子供部屋のようだ。私とは、どこをとっても異質な子供の部屋のようである。日常とは違う、とってつけたような空気が充満している。机の上がきれいなのもわざとらしい。引き出しの中は、ちらかっていた昨日までの子供部屋のミニチュア版という感じだ。しかし、先生が入ってくるなり、
「おっ、机の上もきれいになっているね。だけど引き出しの中はどうかな」
と言い引き出しを開けてしまった。万事休す。ゴチャゴチャな引き出しの中を見た先生はプッと吹き出し、私と母はますます赤面した。
 僕の家では、父の同僚である友人たちが度々やってくる。社交的なホームパーティというヤツだ。そういう場合、決まって家族一斉に大掃除を開始する。そして、ようやく掃除が終わってバテバテになった頃に、お客さんが来る。ピカピカの家とバテバテの僕らは、実に対照的である。そして、久々にきれいに片付いた机を、どうだ!という風に見せびらかすが、
「ほう、すごいね」
と言っただけであまり感心してくれなかった。どうやらお客さんが来たときには、家くらいきれいにしておく、ということは常識なようである。社交とは、なんだか難しいことのようである・・・・・・。
 もうひとつ、似た例を紹介しよう。僕の学校は、授業参観やら学校説明会やらが頻繁に行われる。保護者や入学希望者への社交的な宣伝である。普段、騒がしい生徒でも、この時ばかりは、借りてきた猫のようにおとなしくしている。そして、先生は僕らが静かにしている事に多少驚きながらも、普段着ない派手な服を着て、厚化粧をした顔と一緒に教室に入ってくる。そして生徒を叱ることもなく、スムーズに授業が進められ、親は安堵のため息をもらして、子供を褒めながら校門を出るのである。
 所詮、人間なぞ、人の目を気にする動物なのである。自分に影響のある人物がいる、いないとでは随分と態度が違う人であふれている。といっても自分もその仲間に入っているが・・・・・・。これを直すには、かなりの強い意志を必要とする。しかし、それくらいのことは、本当ならば、社交としても、常識としても当たり前のようである。
 では、もし社交がなければどうだろう。客人が来ても大掃除などする必要がない。だって社交がないのだから・・・・・・。客人は散らかったままの家の様子を見て、絶対に不愉快になるだろう。そして、そのまま帰りたいところをぐっと我慢して、何時間か過ごし、がっかりして帰るだろう。これでは、とてもではないが、「もてなし」とはいえない。丁寧な性格やきれいな家、心のこもった「もてなし」とは、たいてい社交があって初めて存在する。つまり、社交があるからこそ、人と人との間がスムーズに行くのである。社交とは人間関係において絶対必要なものであることが分かるであろう。しかし、大掃除をする身もつらいものがある。ああ、やはり社交とはなんと難しいことであろうか。

   講評   siro


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